2020年02月14日

英投資ファンドがキリンHDに株主提案???

日経ビジネスの記事です。

スクープ 英ファンドがキリンに株主提案、全面対決へ

記事によると、

キリンホールディングス(HD)に対し、株主の英投資会社フランチャイズ・パートナーズ(FP)が株主提案を出したことが14日、日経ビジネスの取材で明らかになった。FPが推す社外取締役の選任や6000億円規模の自社株買いなどを求めている。キリンHD側は株主提案を拒否する構えで、3月に開かれる定時株主総会でプロキシファイト(委任状争奪戦)にもつれこむ可能性もある。活発になる一方の物言う株主の標的は大手企業にまで広がっている。

だそうです。また、以下のような主張もしているみたいです。

最大の焦点は自社株買いだ。株主還元が必要かどうかという問題ではなく、経営戦略を巡る考えの違いがある。FPは自社株買いの原資として、キリンHDが昨年、約1300億円を投じて33%分を取得したファンケルのほか、協和キリンなどビール以外のグループ企業の株を売るよう求めている。昨秋にはキリンHDに対し、医薬・バイオ事業などを売却してビールに集中するよう求める書簡も送っていた。今回は株主提案という、さらに強い手段での自社株買いの要求を通じ、多角化路線の修正を迫っている。

まったく投資ファンドは勝手ですねえ・・・。「医薬・バイオ事業などを売却してビールに集中するよう求める書簡も送っていた」というところです。そりゃあんたは医薬・バイオ銘柄を保有しているからキリンはビールに集中すればいいんだ!ということかもしれませんが、キリンはキリンとして生き残っていくためにはビール以外の事業も育てなくてはなりません。会社は株主の者ではないのです。株主の強欲な主張により、経営者は「選択と集中」という誤った経営戦略を取ってしまうことがあります。選択と集中も大事なのですが、選択しすぎたり集中しすぎたりはよくないのではないでしょうか?1本足打法は危険です。

ではキリンHDの株主構成は?2019/12期はまだわからないので、2018/12期のデータです。

外部から見たキリンHDの安定株主比率ですが、法人株主7.29%、明治安田生命3.75%の合計11.04%です。上位株主に出てこない銀行、生損保などもいらっしゃるでしょうけど、でも15%ないくらいじゃないでしょうか?外国人株主比率が32.89%と高いですね。個人は22%ですか・・・。

微妙・・・ですね。では、昨年株主提案が可決されてしまったLIXILの株主構成を見てみましょう。

外部から見た安定株主比率は、法人株主5%、野村信託銀行(潮田さんの持分です)3.07%、LIXIL従業員持株会2.45%、第一生命2.26%の合計12.78%です。

キリンHDは時価総額が大きい会社ですから安定株主比率は低いですし、外国人株主比率も高いです。私、1年前だったら「キリンHDに対する株主提案は可決されません」と断言していましたが、今はできません。可決される可能性は否定できません。LIXILと似たような株主構成ですから、まったく油断できません。おそらくグラスルイスは会社を支持すると思いますが、これまでの経験上、ISSは株主提案を支持するのではないかと考えます。外国人株主比率が高いですから、どうなるのかまったく読めません。LIXILのケースがなければ、たぶんキリンが勝つんだろうなと思うものの、本当に今はわかりませんね。

キリンは12月決算企業です。3月決算企業はきちんと準備をしておいたほうがよいと思われます。

 

 

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