2020年03月04日

イヤなら応募するなという理屈

東芝機械の協力会社が村上さんたちのTOBに反対して反対表明をしたそうです。

東芝機械の協力会社、旧村上系ファンドのTOBに反対表明

また、記事によると、「東芝機械の労働組合も、経営側の方針に賛同する姿勢を明らかにした。組合側は「短期的な株主利益を追求する施策は、労働者の雇用条件や生活維持に多大な影響を与えることは明白だ」と主張した。」そうです。

この記事に対してオフィスサポートは以下の通りツイートしました。

そのように考えるなら、公開買付けに応募されなければ良いだけの話です。買収防衛策を後出しして、他の株主様の売却の機会を奪うことを正当化する理由にはなりません。

後半部分はそうですね。私も買収防衛策の後出しはどうかと思います。少なくとも、買収提案がなされる前に買収防衛策を導入する行為は理解できますが、買収提案がなされてからルールを公表して、ルールに従えってのはどうなのかな、と。ただ、これまで買収防衛策を導入したり、廃止したりしたことのない会社であれば、有事導入型の買収防衛策であってもよいのではないかと思います。東芝機械は買収防衛策を昨年廃止したばかりですからねえ。廃止した買収防衛策(に似た買収防衛策)を突然、実質復活させるような行為はどうなのかなと思います。

前半部分はどうなんでしょうか?東芝機械の協力会社や従業員は、村上さんたちの過去の投資事例や発言、いろいろな噂を見たり、聞いたりして、非常に不安な思いを持っていらっしゃるのではないかと思われます。村上さんたちは「過半数を取る訳じゃない。経営には関与しない」と言っていますが、そのような発言が従業員や取引先の心にどう響くでしょうか?普通に考えたら「実質的に経営権を取るような水準の株式を取得する意向を表明しているのに、経営権を取る訳じゃないってどういうこと?」と思うでしょうね。そして、従業員や取引先は、村上さんたちのことを信用、信頼しないのではないでしょうか?

従業員や取引先と信頼関係を構築できない株主って、それはそれで不幸ですよね。TOBの結果、所有割合が43.82%になる可能性がある中、過半数の取得じゃないから支配してないとか、だったら議決権行使率を上げるように努力しろって言う株主に対して、従業員や取引先は不安感しか持たないですよね?株主と従業員、取引先の関係としては非常に残念な関係です。

少なくとも「そう考えるならTOBに応募しなければいいだけの話」と突き放すのではなく、従業員や取引先にはより丁寧な説明をしてあげたほうがよいのではないでしょうか?村上さんたちが「私たちは株主だけの利益を追求している訳ではなく、従業員、取引先とともに中長期的な会社の価値向上を目指している」とより丁寧に説明してあげたほうがよいのではないでしょうか?

 

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ