2020年03月04日

前田道路はMBOも検討したけど・・・やっぱり平時からちゃんと考えておく必要があります

以前にも取り上げましたが、日経ビジネスにTOB対抗で特別配当実施へ、前田道路に知恵つけたのは誰?という記事がありました。記事には、

前田道路は、前田建設のTOBに対抗するため、当初はホワイトナイト(白馬の騎士)を探すはずだった。実際に多くの外資系の投資ファンドに声をかけ、MBO(経営陣が参加する買収)の可能性を模索したが、難航した。

24%超の株を前田建設が保有する中ではMBO成立のハードルは決して低くない。前田建設は5割のプレミアム(上乗せ価格)をつけてTOBを実施中。「MBOでは1000億円単位の借金を抱えることになるため、今枝良三社長がどうしても踏み切れなかった。今まで無借金だったから相当抵抗があったのだろう」と会社関係者は明かす。

とあります。多額の借金を抱えることになるMBOには踏み切れなかったそうです。これ、やっぱり短期間で検討、決定するにはムリがあったのでしょう。短期間で腹をくくるのは難しかったということかもしれません。

事前警告型買収防衛策がないと、ある日突然、敵対的TOBが仕掛けられる可能性があります。そして、最短で30営業日で勝負が決まってしまう可能性があります。現実的には数日のうちに企業防衛方針を検討して決定し、動く必要があります。たったの数日でホワイトナイトに救出依頼をするかどうか決めなくてはならない状況もあり得るのです。

普段から企業防衛や有事の危機管理を考えていなかった会社は、たったの数日で会社の命運を左右する意思決定をしなくてはならないということです。

普段から「当社に敵対的TOBや株主提案がなされた場合にどう対処するか?」「敵対的TOBや株主提案がなされないようにどう行動すべきか?」をよく考えておく必要があると思われます。

 

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