2020年03月10日

オフィスサポートの公表資料

東芝機械に対して敵対的TOBを仕掛けているオフィスサポート(正確にはシティインデックス11)がいろいろと公表しています。

http://officesupport.bz/

少し気になるところがあるので、抜粋してコメントします。

買収防衛策の導入は、株式を売却したい株主の売却機会を奪うものです。本来であれば、株主の皆様が、その公開買付けに応募するか否かによって、公開買付けに対する支持・不支持を示すことができます。買収防衛策の発動により、公開買付けが撤回されれば、応募(売却)したい株主の応募(売却)の機会が奪われることになります。 このような株主の権利を、経営陣が奪うべきではありません。

正確には、買収防衛策の導入そのものは売却機会を奪うことにはなりません。買収防衛策は買収提案に関する情報と検討するための時間を確保するものです。不当に割安な価格で買収されないよう、買収提案の詳細な内容を精査し、応じるかどうかを検討するためのルールです。

なお、後半部分は賛同します。買収防衛策の発動によって売却の機会が奪われます。ですので、発動に当たっては普通決議ではなく特別決議が必要であると私は考えます。買収防衛策の発動に賛成50.1、反対49.9の状態で発動できるのはやはりおかしいのではないでしょうか?賛成66.7、反対33.3であれば、反対している人の倍の人が賛成しているのですから、発動してもよいと思います。ま、当然、金員保証をして買収者に経済的損害が発生しないような工夫、仕組みが必要とも考えます。

東芝機械の新買収防衛策は、日本のコーポレート・ガバナンス発展の観点から許されるべきではありません。臨時株主総会では、「反対」をお願い致します。新買収防衛策が先例となった場合「東芝機械うんぬんではなく、日本株への見方をネガティブに考えざるを得ない」(2020年2月19日付日経ビ ジネスオンライン記事より)との声が上がっています。

そういう声があるのはわかります。ただ、だからと言って、日本企業が導入している買収防衛策を否定してほしくはないですね。単に買収提案を検討するための時間と情報を確保するためのルールに過ぎないのですから。東芝機械のケースは非常に特殊ケースです。買収防衛策を導入している会社は、発動が非常にハードルが高いことや現実的には難しいこと、買収防衛策は買収提案の実現を妨害するためのルールではなく、あくまで時間と情報を確保するルールであると十分認識ています。保身に使うようなことはありません。

現在株価は公開買付が3,456円で行われている期間中にもかかわらず、PBR1倍を大きく下回っています。 これは東芝機械経営陣が公表した経営改革プランが実現されるか、株主が不安視していることの表れです。

コロナウイルスと原油価格急落の影響も大きいと思います。株価下落要因をすべて会社のせいにするのは乱暴ではないかと思います。

弊社は、常に経営陣との対話にオープンでしたが、これまで経営陣が弊社との対話を拒絶されてきました(こちらも、これまでのやりとりをご覧いただければご理解いただけます)。

確かに拒絶されたこともあったかもしれませんが、会社も本業で忙しく何度も面談するのは厳しいのではないでしょうか?

弊社は、東芝機械を支配しません。TOBの上限は42%です。

これ、よく敵対的TOBを仕掛けた側がおっしゃるのですけど、ムリがあるのではないでしょうか?現実的には42%も所有したら実質的に支配ことになると思うのですが。

TOBが成立したとしても、弊社が大株主となる会社の価値を毀損するような行為を行うことはありえません。そのような経営をした場合最も損失を被るのは弊社です。机上の空論としか言えない主張です。

いや、そうでしょうか?会社のステークホルダーは株主、経営陣、従業員、取引先、金融機関、地域社会、国などさまざまですが、各ステークホルダーは自身の利益を最大化しようと動きます。株主は株主の利益を、従業員は従業員の利益を、取引先は取引先の利益を最大化したいはずです。村上さんたちが大株主になり、東芝機械に対して重大な影響力を保持することとなった場合、株主の利益を最大化することに注力するのではないでしょうか?特定のステークホルダーが実質的に経営権を取ることによって、会社の利益ではなく特定のステークホルダーの利益を重視する経営を行うリスクはあるはずです。そういうことにならないよう、各ステークホルダーに対する利益配分のバランスを取るのが経営者の仕事ではないでしょうか?そして経営者が偏った利益配分をしないようチェックしているのが社外取締役ではないでしょうか?(一般的なガバナンス論ではないかもしれませんが)

特定の株主が実質的に経営権を取った場合、株主価値は最大化するものの、会社価値が毀損されることはあるはずです。短期的に株主価値が上昇し、中長期的に会社価値が毀損することはあり得ます。

東芝機械は、昨年買収防衛策を廃止していたにもかかわらず、公開買付者グループのTOBを察知するや否や、突如買収防衛策を取締役会決議限りで復活させました。株主総会の承認も経ていない後出し買収防衛策に弊社が拘束される謂れはありませんし、コーポレートガバナンスの発展に 逆行する買収防衛策に反対します。

これは確かにそうですねえ・・・。まだ導入したことがないのならまだしも、昨年廃止していますからねえ。この主張に関しては私も村上さんたちに賛同します。

 

 

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