2020年04月22日

コロワイドの大戸屋買収、「コロナでも決行」の真意

日経電子版に以下の記事が掲載されています。

コロワイドの大戸屋買収、「コロナでも決行」の真意

記事を一部抜粋してコメントします。

コロワイドは14日、大戸屋HDの取締役12人のうち7人をコロワイド側から派遣する株主提案をすると発表した。6月25日に予定されている大戸屋HDの株主総会でこの議案を通したうえで、同社を51%出資の子会社にするシナリオを描いている。

たったの51%の取得で子会社にするんですね。まあ51%取得すりゃ子会社にはなりますが、はたして大戸屋の株主はそんな条件で納得するのでしょうか?部分的買収ですよね?「51%の取得におさえるのは、大戸屋の独自性や上場会社としての独立性を守るため」といった都合のよい理屈を主張するのでしょうか?

大戸屋の株主利益を考えたら、適切な価格による全株買収のTOBであるべきと考えます。

同業のM&A(合併・買収)で成長してきたコロワイドは2019年10月、お家騒動で大戸屋HDを追われた創業家サイドから同社株の18%強を取得し、筆頭株主となった。コロワイド傘下入りを持ちかけたが、大戸屋HDが独自路線を譲らないため、ここにきて株主提案という手段に打って出たわけだ。

大戸屋HDは株主提案について「混乱を招くものであり甚だ遺憾」とコメントしており、株主総会で委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)になる可能性が高まっている。

大戸屋はコメントを間違えています。「混乱を招いたー!!!」って非難するのはナンセンスです。誰が混乱しているのでしょうか?それは大戸屋の経営陣が混乱しているだけでは?

正しいコメントは「コロワイドの株主提案は株主にとってメリットがまったくない。コロワイドは当社株式を51%取得して子会社にしようとしているが、ここでコロワイド出身者や推薦する社外取締役を受け入れたら、コロワイドにとって都合のよい条件、手法で子会社化されるリスクが高い。株主はコロワイドの株主提案に応じたら損だ」ではないでしょうか?

大戸屋の国内約350店のうち約200店をFC店が占め、足元では新型コロナによる臨時休業が広がっている。野尻氏は「コロナ前もFCオーナーから『きつい、やめたい』と訴える声が届いていた。ロイヤルティー収入が入る直営でさえ赤字なのだからFCは相当厳しい。支援金やロイヤルティーの減免は待ったなしだ」と強調。コロナでFCオーナーが離脱すれば、コロワイドが描く再生シナリオも揺らぐ。

大戸屋のFCオーナーがコロワイドに「きつい、やめたい」と訴える声を届けているんですか?なんでコロワイドに訴えるんですかね・・・。本当ですか?

大戸屋HDの20年3月期の連結最終損益は5億3000万円の赤字に転落する見通し。野菜の皮むきやカットといった下ごしらえから店内で行う運営手法が人手不足で行き詰まり、仮にコロナがなくても事業モデルの抜本的な見直しが避けられなかった。

野尻氏は株式公開買い付け(TOB)や第三者割当増資で大戸屋HDを子会社にすれば「2022年3月期には黒字化できる」と主張する。その根拠として、全国10カ所で稼働しているコロワイドのセントラルキッチンの共同利用や物流の共通化、仕入れの統一などで約6億9000万円のコスト削減が可能との試算を明らかにした。

こうした再建策について株式市場では「一定の説得力があり、株主の理解を得やすい」(いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員)との声も聞かれる。

一定の説得力のある再建策をして大戸屋の価値が高まるというのであれば、適切な買収価格と買収手法を選択すべきではないでしょうか?そして、それが可能となるのはコロワイドから独立した取締役でないとダメなのでは?コロワイドが大戸屋の経営権を実質握ってしまったら、コロワイドにとって都合のよい手法を選択するに決まってますからねえ。

もっとも、大戸屋HDが身構えるのには別次元の理由もある。コロワイドの株主提案に取締役候補として名を連ねる三森智仁氏の存在だ。大戸屋HDの実質的な創業者で15年に急逝した三森久実氏の長男で、窪田健一社長ら現経営陣と対立して16年に退社。その後、持ち株をコロワイドに売却した経緯がある。

智仁氏は記者の取材に「野尻社長から『大戸屋を日本一の定食屋にしたい』と言われて涙が出た。創業者の理念を一番近くで見てきた自分が力添えしたい。その役割が必要なくなれば、それまで。固執することはない」と語った。とはいえ、コロワイドの後ろ盾で取締役として復帰すれば波風は立ちそうだ。いまも毎日、大戸屋で昼食をとるという同氏を慕う従業員やFCオーナーも少なくないようだ。

・・・・うーん。。。だったらコロワイドに株を売らなきゃよかったのでは?

買収を仕掛ける側のコロワイドも、7日に居酒屋業態で約400店の休業を発表している。焼き肉チェーン「牛角」、回転ずし「かっぱ寿司」などM&Aで業容を広げてきた同社は、国際会計基準(IFRS)で19年12月末ののれんが685億円と、自己資本330億円の2倍超にのぼる。コロナの影響が長引けば、減損リスクも浮上してくる。18年に上場来高値3225円を付けた株価は4月に入って1241円まで下げる場面があった。

コロワイドが大戸屋を全株買収できないとしたら、ここかな?かなり有利子負債もある会社ですからねえ。

大戸屋は株主提案に勝つことができるでしょうか?こんなの簡単に勝てます。理由は以下のとおり!

No.810 大戸屋はまずこうすることが勝利への第一歩!

大戸屋の株主構成を見ると、個人株主比率が非常に高いです。であれば、個人株主の心にひびく主張をすればいいのです。

No.814 大戸屋がコロワイドに勝つためには?~個人株主の心に響く反対意見を作ってみました~

そして、以下の作戦を展開して勝利できます。

No.815 大戸屋が株主提案に勝ったら次はこう戦えばよし!

こういう戦い方をすれば、大戸屋の経営陣は誰からも責められません。むしろ称賛されるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

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