2020年04月28日

ストラテジックキャピタルが東レに株主提案

村上ファンドの創業メンバーの一人である丸木氏のストラテジックキャピタルが東レに株主提案をしました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000052343.html

株主提案の内容は、

[1] 提案する議題の内容
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第7章 子会社の管理
(子会社の管理)
第39条
当社が親会社となっている上場子会社について、グループ全体としての企業価値向上や資本効率性の観点から、上場子会社として維持することが最適なものであるか点検するため、次に掲げる点について取締役会で審議し、当会社が金融商品取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書においてその審議の内容等を開示する。
(1)上場子会社として維持することについての合理的理由があるか(グループ全体の事業ポートフォリオ戦略との整合性や、上場子会社を維持することのベネフィットが上場にともなう制約やコストを上回っているかなど)
(2)上場子会社のガバナンス体制の実効性を確保できているか(必要な資質を備えた独立社外取締役の適切な選解任権限の行使に関する考え方など)

です。まずストラテジックキャピタルは東レの株主だったんですね。ストラテジックキャピタルは東レの議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しているそうですが、何株持っているのかはわかりません。

なぜストラテジックキャピタルは東レにこのような株主提案をしたのでしょうか?それは、東レの上場子会社である蝶理の株主でもあります。ストラテジックキャピタルは2016年から蝶理に対して株主提案をしています。

https://stracap.jp/proposal/2016_chori

2020年6月総会に向けても蝶理に対して株主提案をしていますが、その内容は以下のとおりです。

  • 上場子会社としてのコーポレートガバナンス改善のための独立社外取締役の選任(①)及び
     外部機関による取締役実効性評価の実施(②)
  • 剰余金処分の株主総会授権(③)及び配当性向100%を実現するための増配(④)
  • 株主との対話を促進するための資本コストの数値と計算根拠の開示(⑤)

  • 資本効率性を高めるための政策保有株式売却(⑥)

https://toray-can-increase-the-value-of-chori.com/

東レに蝶理を完全子会社化してほしいのでしょうね。東レに対する株主提案は定款変更ですが、東レの株主構成はどうなっているのでしょうか?2019/3期末のデータです。

外部から見た安定株主比率は、その他の法人8.33%、日本生命4.45%、三井生命2.25%、三井住友銀行1.69%の合計16.72%です。まあ、定款変更議案ですから可決はムリでしょうね。それはストラテジックキャピタルも十分認識しているはずです。でもあえて株主提案をしました。

ストラテジックキャピタルはこれからずーーーっと東レに株主提案をし続けるでしょうね。プロキシーファイトまでしかけるかはわかりませんが、やってくるかもしれません。なぜなら「こういうことをずーっとされたイヤですよね?東レさん!」って考えてるでしょうから。

皆さん、このような株主提案を毎年毎年されたらどうですか?イヤでしょ?ストラテジックキャピタルは東レが音を上げるのを待っているということです。

 

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