大戸屋さん!この反論で大丈夫??
大戸屋の反対意見表明に対して、5月26日にコロワイドが以下の反論をしています。
株式会社大戸屋ホールディングス取締役会による当社株主提案への反対意見に関する当社見解及び不正確な情報に対する注意喚起のお知らせ
たいして大戸屋は5月28日に以下の反論をしています。
株式会社コロワイドの株主提案に対する当社反対意見について 同社が公表したプレスリリースに関するお知らせ
うーん、反論すべきことを反論していないですね。大戸屋の反論のポイントは、
・M&Aの協議に関する経緯の認識の違い
・コロワイドグループの業績推移及び財政状態に関する認識の違い
・コロワイドの政策はコロワイドにメリットが生じるものばかりであり、当社の企業価値の源泉が損なわれる恐れが高い
です。いやー、ここじゃないでしょ?コロワイドは公表した反論で以下のように主張しています。
他方、大戸屋HD取締役会は、本意見開示において、「コロワイドが、当社(大戸屋 HD)株式 19.1% を保有するにすぎないにもかかわらず、」と記載しております。しかしながら、これは取締役をはじめとする役員が株主総会の決議により選任され、株式会社とは委任関係にあるという株式会社の根本を否定し、当社をはじめとする株主の皆様を軽視する経営姿勢の表出に他ならないと考えられ、 当社としては、株主が期待するガバナンスが適切に大戸屋HDにおいて構築されることが、同社の業績回復にあたって不可欠であると考えております。
ここに対して、明確に反論しないとダメじゃないですか?コロワイドは「大戸屋はコロワイドが19.1%を保有するにすぎない、と言っている。株主を軽視している経営姿勢だ!適切なガバナンスを構築すべきだ!」と言っているのです。
大戸屋は株主のことを軽視してなどいません。大戸屋は「19.1%しか持っていないコロワイドが役員を送り込んで大戸屋を実質支配しようとしている。子会社化するとも言っているが、その具体的条件は明らかになっていない。そのような状況でコロワイドの提案を支持すべきではない」と言いたいのでしょ?
だったらはっきりと「TOBの条件を提示せよ」と言ったらいいのでは?もしかして「本当にTOBの条件を提示されたら困る」と考えて主張していないのでしょうか?
だとしたらあまいですよ。この勝負は、はっきり言ってコロワイドが有利です。TOBをしかけられたら、もうコロワイドが19.1%を保有している以上、負ける可能性が高いのです。ホワイトナイトが必要な勝負なのです。
大戸屋はこの勝負の本質がわかっているのでしょうか?仮に株主提案で勝利できても、後にTOBを仕掛けられたら負けです。
ただまあ、今コロワイドを支持してしまうと、今後TOBを実施するとしても、コロワイドにとって有利な条件を設定されるリスクがあるので、現時点では大戸屋株主は大戸屋を支持しておいた方が無難でしょうね。まずはコロワイドにTOBの条件を提示させなくてはなりません。
TOBの条件を見た上で、応募するかどうかを決めればよい話でしょう。