2020年07月14日

大戸屋と東芝機械の違い

現時点での大戸屋が腹をくくっていないと見えるのに対して、東芝機械は腹をくくっていました。それが大きく違いますね。

東芝機械は旧村上ファンドが大量保有報告書を提出したときから、きちんと旧村上ファンド対策を考えてきたのでしょう。そして「いざとなったらサブマリン型の有事買収防衛策で対抗だ!」と考えていたのでしょう。もちろん、私の主義とは異なります。私は「顧客を絶対に有事にしない」という主義なので、私だったら東芝機械が平時の買収防衛策を可決できるよう注力しました。有事導入型買収防衛策を可決できたくらいなのですから、必死にやれば平時の事前警告型買収防衛策を継続できた可能性があります。以下のような工夫もすれば可決できた可能性は高いと思います。

No.493 三菱地所が買収防衛策を廃止するだろうと報道されていますが、こうすれば可決できる

No.804 村上さんたちのターゲットになっているセントラル硝子や中国塗料はこうやって対応すればよし!

No.854 買収防衛策の仕組みを工夫してみましょう~こうすれば機関投資家も納得するのではないでしょうか?~

No.799 東芝機械の対応を参考にして平時の事前警告型買収防衛を工夫する

有事になると大変ですし、お金もかかります。何より顧客が本業に注力できなくなるので、有事になることは極力避けなければなりません。有事になったらどう対処するかよりも、有事にならないようにどう対処しておくかに私は重きを置いています。

ただしこれは価値観の相違もあるでしょうから、東芝機械の対応を批判するものではありません。むしろ東芝機械は旧村上ファンドに屈せず、毅然とした態度で旧村上ファンドに対応したことは称賛に値すると私は思っています。

それに比べて大戸屋はどうでしょうか?もちろんまだ意見表明すらしていない段階ですから何とも言えないところはあります。ただ、これまでの創業家とのゴタゴタやコロワイドに株式が譲渡されたこと、株主提案をされてしまったことを考えると、どうも東芝機械とは違うような気がしてしまいます。

大戸屋が勝てるかどうかは、東芝機械のように腹をくくれるかどうかにかかっています。これは大戸屋に限らずです。有事にならないようにするにはどうするか?をきちんと平時から議論し考えておけば、いざ有事になっても腹をくくって対応することができます。この点で東芝機械は参考になるケースです。

 

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