2020年07月15日

買収問題とコクヨとの関係改善は?

以下の記事が今日の日経12面に掲載されています。

コクヨとの関係改善は? ぺんてる社長に聞く

まあ、関係が改善されるのは困難でしょうね。以下、コクヨがぺんてるに買収を仕掛けた経緯です。

2018年3月 ぺんてるの創業家が投資会社マーキュリアインベストメントが運営するファンドに株式を売却

2019年5月  コクヨ、ぺんてるの発行済株式の37%を持つマーキュリアのファンドを通じて間接的に所有

2019年9月  コクヨ、直接出資に切り替え

2019年11月  コクヨ、ぺんてる買収の意向発表

これも創業家とのゴタゴタが発端なのでしょうかね?コクヨがぺんてるの了解なしに、突然ぺんてるの株式を主奥氏、水面下で業務提携などの話を進めようとしたものの、ぺんてるが応じないから、最終的には敵対的買収を実施したということでしょう。

これも敵対的株式取得が発端ですね。事前に対象会社の同意なしに株式を取得して提携話を進めようとしても、うまくいくはずがないんです。対象会社は「提携の話を進める前に株を買って、強圧的に交渉しようとしている!」と捉えるからです。脅しと捉えるということです。

コクヨはぺんてる株を46%取得しました。これが上場会社だったらコクヨの勝ちですが、ぺんてるは非上場会社だからコクヨの負けです。ぺんてるは自社株主の細かい属性を把握しているでしょうし、議決権行使率も100%にできるのでは?過半数を確実に取れるという見通しがない限り、コクヨはぺんてるに敵対的買収を仕掛けるべきではありませんでした。コクヨは「待ってられん!」と考えるかもしれませんが、コクヨはぺんてる株を事前に買わずに、長い時間をかけてじっくりと業務提携に関してぺんてる側と協議すべきでした。

これまでは事前に敵対的株式取得をしても、うまくいったケースは少ないですが、大戸屋はどうなるでしょうかね?コロワイドは腹をくくって敵対的TOBを仕掛けましたから、大戸屋も腹をくくった対応をしないと負けます。

このように事前に株式を取得され、業務提携の話などを持ち掛けられた場合、早め早めに対応をする必要があります。20%程度持たれたからと言って、あきらめる必要もないです。打つ手はあります。

 

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