2020年09月04日

大戸屋HDを追い詰める新たな投資家

本日9月4日の日経ビジネスの記事です。一部抜粋します。

大戸屋HDを追い詰める新たな投資家

こうした状況は実は短期筋の投資家の流入を防ぐ役割を果たしていた。通常、TOB銘柄にはサヤ取りの短期筋が群がる。だが、今回のようにすべてを買い取ってもらえないかもしれず、戻ってきた株は下落が確実という状況では手を出しにくかったのだ。

しかし8月25日のコロワイドの発表で、TOBへの応募は下限にすら達しなかったことが明らかになった。言い換えれば、「TOBに応募すればほぼ間違いなくすべて買い取ってもらえそう」(個人投資家)という見方が急速に広がった。しかも大戸屋HDの株価は8月25日終値でTOB価格を400円近く下回る2700円だ。

「これはおいしい」(同)。8月26日以降、これまで手出しできなかった短期筋が一気に大戸屋HD株に群がった。それは株の売買高を見れば明らかだ。26日の売買高は25日の9倍以上に膨れ上がった。9月3日までの7営業日の1日平均売買高を見ても、8月25日までの7営業日の2倍を超えている。

これについては、当社のHPでも8月27日と9月2日に指摘しています。

これはちょっと違うんじゃないかな?

大戸屋の株価がずっと上がってますね

以前から申し上げている通り、大戸屋は株主提案と敵対的TOBの対応を分けて考えてしまったのだと思われます。コロワイドが創業家から約20%の株式を取得し、株主提案を仕掛けてきた以上、株主提案が失敗したら次は敵対的TOBを仕掛けてくることはまず間違いありませんでした。

大戸屋の株主構成で敵対的TOBを勝ち抜くのは至難の業です。そして大戸屋は「下限45%」も誤解したのかもしれません。下限をさらに引き下げてくる可能性も予想し、それに対応できる対抗策を準備すべきでした。

過去の事例を研究していれば、コロワイドの戦略を予想するのはそんなに難しいことではありませんでした。大戸屋がなぜこのような失敗をしてしまったのか、非常に不思議です。私は「この勝負はホワイトナイトなしでは厳しい」と申し上げていました。ホワイトナイトなしで勝つのはムリな戦いでした。まだ終わってませんけどね・・・。

まあもうこれ以上大戸屋が対抗策を打ってくることは考えにくいですね。対抗策を考えているのなら、訂正前のTOB終了日までに実行したはずですから。おそらくコロワイドのTOBは成功するでしょう。

皆さんの会社も大戸屋のような状態になってしまうことは十分にあり得ます。そうならないためにも、平時から企業防衛や企業価値向上策について常に考えておく必要があります。

 

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