2020年09月08日

ホワイトナイトなしでなぜ勝てると思ったのか・・・

以下のニュースで当社のコメントを取り上げてくださったのですが、私はいつもお伝えしているとおり「この勝負はホワイトナイトなしではムリ」と考えていました。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2007/29/news024_4.html

企業防衛策に詳しいIBコンサルティングの鈴木賢一郎社長は、「既にコロワイドが大戸屋株を19%も保有しているので、一般論としてTOBが成立する可能性が高い」と指摘する。しかし「敵対的TOBで過半数を集めたケースはほとんどない。大戸屋の個人株主の感情に訴える作戦が非常にうまくいった場合に、防衛に成功する可能性もまだ残っている」と、大戸屋にも希望がかすかにあるとしている。

そして、以下の点も指摘しています。

実は、鈴木氏は野村證券に勤めていた際、ドン・キホーテによるオリジン東秀の敵対的TOBを担当している。その時は、単独での防衛は無理と考え、イオンにホワイトナイトを依頼した。

「大戸屋は創業家ともめ事が発生した時点で、同業に株を売却されないように創業家をハンドリングするべきだった。オリジン東秀がドン・キホーテに狙われた時も、事前に創業家から株を買われた。ホワイトナイトなしで勝てると思ったら甘すぎる」と手厳しい。

大戸屋がなぜホワイトナイトなしで戦ったのか非常に疑問です。「そりゃいなかったんじゃないの?」 そうかもしれませんが、オイシックスは大戸屋に対して多少なりとも魅力を感じ、提携したわけですよね?知恵を絞れば、ホワイトナイトが存在しないなんてことはあり得ないのです。例えば以下の工夫。

No.891 大戸屋に足りないのは知恵と時間です

No.868 そして大戸屋はこういうホワイトナイトに助けてもらえばよいです。この方法なら独立性は維持できます。

今回の大戸屋の戦いぶりを見ていて思ったのは「なんだか防衛の仕方に知恵と工夫がないなあ」です。電話攻勢なんかで助かるはずがないのに、何を勘違いしているのか、と。知恵と工夫を垣間見ることのない戦い方でした。まあ、知恵と工夫を凝らすと言っても、前田道路の特別配当のような策にならない奇策はダメですよ。あんなものは何の対抗策にもならないのですから。あれを授けたアドバイザーの見識を疑います。

どうして大戸屋はこうも知恵も工夫もない戦い方を選んでしまったのか?そしてこうも無残な負け方をしてしまったのか?

大戸屋がかわいそうですね・・・。

 

 

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