2020年09月09日

昨日のWBS~大戸屋も株主も大きな誤解をしていますね~

昨日のワールドビジネスサテライトでコロワイドvs大戸屋の件が報じられていました。大戸屋の窪田社長がインタビューに応じていましたが、大きく誤解していると思います。

窪田社長の発言

・(今日の結果を最初に聞いてどう思ったか)それは株主様の判断ですから。ルール違反ではないし、ルールにのっとってやっているわけですから。ご判断として受け止める。

・株主様には中期経営計画とかご説明をしてきたわけですが、(説明が)足らなかったというよりもっとしっかりと伝える余地はあったのかなと思いますけど。

・未来に向かって大戸屋がより発展していくとうことを誰もが望むこと。気持ちの整理もないから、ゆっくり考える。

株主の発言

・10年来持っているので、株主総会には何回も行っているんでね、なんとなく愛着があるんですよね。6月の株主総会に行ったとき、(株主提案が)否決されてみんな大戸屋の味方だったじゃないですか~。だからね、私は今でも思い出すと涙が出ちゃう。みんなどうしちゃったの、って。

まず窪田社長の発言ですが、間違ってます。中期経営計画をしっかりと伝えるどうこうが問題なのではなく、3,081円というTOB価格を提示されている以上、それを超える価格を期待させる実弾を株主に打ち込む必要がありました。それは絵に描いた餅である中期経営計画ではなく、ホワイトナイトによるカウンターTOBでした。それに気づかなかったから負けたのです。

そして株主の発言ですが、6月総会のときに株主が大戸屋を応援したのは、ファンだからではありません。そういう株主がいたのも事実ですが、敵対的TOBの勝敗のカギを握っていたのはファン株主ではありません。株主総会の時点で「コロワイドが大戸屋の子会社化の条件、つまりTOB条件を具体的に明示しない限り株主提案には賛成しない」と冷静に判断した株主です。

この冷静な株主を味方につけられなかったから大戸屋は負けたのです。大戸屋は株主提案と敵対的TOBをわけて対抗してしまいましたね。コロワイドの株主提案と敵対的TOBは当然、つながっていますし、株主提案の時点で「すぐにでも敵対的TOBを仕掛けてくるかもしれない」という前提で作戦を練る必要があったのです。

 

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ