2020年10月21日

なぜニトリは敵対的買収を決断できたのか?

まだニトリが島忠に敵対的TOBを実施すると正式に決断した訳ではありませんが、おそらく敵対的TOBを実施するのでしょう。DCMが島忠への友好的TOBを実施すると報道されたのが9月18日で、正式に公表されたのが10月2日です。

これだけ短い時間でどうしてニトリは敵対的TOBを実施することを決断できたのでしょうか?それはニトリが常に敵対的TOBのことを考えていたからではないでしょうか?

あまりご存知ないかもしれませんが、ニトリは2019年まで買収防衛策を導入していました。以下のとおりです。

ニトリが買収防衛策を廃止

買収防衛策を廃止したニトリの株価は下がってますけど???

買収防衛策ディスカウント?ニトリは?

ニトリは自社に対する敵対的TOBの可能性をちゃんと検討していた会社です。おそらく買収防衛策を検討する中で、自社が敵対的TOBを実施する可能性についても考えていたのではないでしょうか?それは当然のことだと思います。買収防衛策を検討する会社は、もちろん自社が敵対的TOBを実施する可能性だって検討します。

買収防衛策を検討するということは決して守りのことだけを考える訳ではないのです。「あの会社がうちに敵対的TOBを仕掛けてきたら?だったらうちが買ってもいいんじゃないか?」ってことも考えます。

買収防衛策を検討することは決して後ろ向きなことではありません。買収防衛策、企業防衛の検討=企業価値向上策の検討なのです。ですから機関投資家の皆さんは上場会社に対して買収防衛策をやめろと言わないほうがよいのです。買収防衛策を検討している会社のほうが実は企業価値向上策について考えている可能性があるのですから。

 

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