2020年10月28日

ニトリによる島忠買収、明日にも表明

以下、テレビ朝日のニュースです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000196746.html

大手家具チェーン「ニトリ」が29日にもホームセンター大手「島忠」に対するTOB(株式公開買い付け)を発表することが分かりました。

島忠を巡っては、すでにホームセンター大手「DCMホールディングス」がTOBを実施していますが、買い付け価格が1株あたり4200円で現在の株価を下回っています。ニトリは29日に開かれる臨時取締役会で島忠に対するTOBを決定し、その後、記者会見をする方向で検討しているということです。ニトリはDCMを上回る買い付け価格を提示する見通しです。提示されれば、島忠側はDCMとニトリの提案を比較して検討することになります。ニトリ関係者は「あくまで友好的な買収提案で、島忠のブランドを残して成長の機会を提供したい」としています。

ニトリは「あくまで友好的な買収提案」と言っているようです。そりゃ、当然ですね。自分で「敵対的TOBです!」って言う人はいません。ただし、島忠が賛同しない限り、ニトリによるTOBは敵対的なのです。株主にとって敵対的かどうかはわかりませんが、それは価格次第です。

ニトリはTOB価格をいくらにしてくるでしょうか?当然、4,200円よりも高い価格でしょう。では島忠はどうするでしょうか?高いTOB価格を提示されたら、当然、株主に対してDCMの安いTOBに応募推奨はできないでしょう。かといって、会社の身売りをTOB価格だけで決めることはできません。「レブロン基準じゃい!」と株主が言っても、TOB価格だけで決められないのです。従業員や取引先、地域社会、金融機関といったステークホルダーが会社にはたくさんいます。

島忠が株主以外のステークホルダーの利益を考えているのなら、TOB価格だけでニトリに賛成とは言わないでしょう。当然、これまで友好的に話を進めてきたDCMの立場も考えるでしょうね。一緒にやっていきましょうと意気投合したDCMを裏切ることはできない、と考えるかもしれませんし、そもそも島忠が「ニトリさんなんて大嫌い!」と思っているかもしれません。だとすると、ニトリによる島忠に対するTOBは、ニトリがどう言おうと敵対的TOBになる可能性があります。

ではDCMはどう出るでしょうか?ここがポイントですよ。ニトリは当然「高いTOB価格を提示したらDCMには勝てる」と踏んでいるのでしょう。ただ、本当にそれだけで勝てると思っているのなら大間違いです。ニトリがTOBを仕掛けてきても、まだDCMが勝てる余地はあります。以下です。

No.936 DCMがニトリに勝つ方法

DCMがニトリに勝てるはずがない、とニトリが思っているのなら足をすくわれる可能性があります。

 

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