2021年02月12日

新時代の公開買付規制に加えて

さきほど日経の夕刊を読んでいたところ、以下の記事を見つけました。森濱田松本の石綿弁護士がお書きになったものです。

新時代の公開買付規制を

たしかに2006年に公開買付規制が改正されてからもう15年も経っています。その間、いろいろな形での敵対的TOBが実施されてきました。そのほとんどが部分的買収でした。

私は公開買付規制の見直しも検討する必要があるとは思うものの、規制を見直したところで、その穴を見つけて巧妙に敵対的TOBを仕掛けてくる買収者はいなくならないと思います。当然、株主にとって好条件のTOBであればよいという考え方もある一方で、株主は株式を売却してしまえば会社との関係は切れます。

会社には株主以外のステークホルダーがたくさんいます。TOB後に会社に残されるステークホルダーの方が多いのです。そういったステークホルダーの利益まで考慮した公開買付規制の見直しというのは、現実的に不可能だと思いますし、すべてのステークホルダーの利益を守ることは公開買付規制の範疇ではないのでしょう。

となると、公開買付規制の見直しだけでは、会社・ステークホルダーの利益を保護するためには十分な措置ではないと思われます。石綿弁護士も「十字路」の中で「現在の公開買付規制の基本的枠組みがつくられたのは2006年。06年といえば敵対的買収のリスクが強調され、企業がこぞって買収防衛策を導入した年だ。」と触れています。

私は今こそ、日本企業が導入している買収防衛策とは何なのか?本当に買収防衛策なのか?経営陣の保身に利用できるものなのか?などなどを真剣に上場会社がもう一度検討すべき時期に来ているのではないかと思っています。

結局のところ、公開買付規制を見直そうが、会社を守ることができるのは会社しかありません。自分の身は自分で守るしかないのです。外為法でも守ってくれません。

今一度、本当に買収防衛策と呼ばれてしまっている事前警告型ルールやその他の企業防衛手法、企業防衛体制について真剣に考えるべき時期に来ていると私は思います。

 

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