オアシスが電気興業の大量保有報告書を提出
オアシスが電気興業の大量保有報告書を提出しました。保有割合は5.05%で、保有株数711,300株、取得資金の総額は約20億円です。最近60日間の売買状況を見ると、9月9日に市場外で10,000株(割合0.07%)を取得していることしか開示していませんので、わりと前から買っていたのかもしれません。
平均取得価格は2,814円です。以下、株価推移です。
いつから買っているのかはわかりませんが、取得単価が2,814円ということを考えると、年明けくらいから買っていたのかもしれませんね。
電気興業(コード6706)という会社は四季報によると「大型通信アンテナの製造、工事。防災関連の通信インフラ整備も。高周波焼き入れ技術にも特色」とありました。財務ですが、2021/3期末を見ると、現預金18,995百万円、投資有価証券7,025百万円、有利子負債876百万円です。時価総額は32,972百万円。PBRは0.60倍です。アクティビストに狙われやすい状況ですね。
ちなみに電気興業は今年6月の株主総会で買収防衛策を継続していますが、賛成率は56.83%です。ちなみに3年前の賛成率は53%しかありませんでした。外国人株主比率は22%です。外部から見た安定株主比率は25%くらいですね。
買収防衛策があるから安心、というわけではありませんが、こういったことに備えての買収防衛策ということです。買収防衛策がなければ、今ごろドタバタです。ちゃんと買収防衛策を導入・継続し、常日頃からアクティビストなどを意識していたから、さほどドタバタしないでしょう。
ではなぜ電気興業は買収防衛策を導入し続けていたのでしょうか?電気興業という会社はかつてスティール・パートナーズに狙われたことがあります。2004年11月30日にスティール・パートナーズが大量保有報告書を提出し、保有割合が5.35%でした。その後、保有割合は最大で9.84%までいきました(2007年1月11日)。
またスティールやオアシスだけではなく、ブランデスも大量保有報告書を提出していたようです(今はもう5%を切ったみたいですが)。
もちろん、狙われないような財務体質にしたり、株価にしたりすることが重要ではあるのですが、ちゃんと買収防衛策を装備しておくこともやはり重要ですね。