2021年11月10日

旧村上ファンドが大平洋金属の大量保有報告書を提出

旧村上ファンドが新たに大量保有報告書を提出しました。大平洋金属(コード5541)です。保有割合は5.36%で、内訳はシティインデックスイレブンス2.02%、野村絢氏3.35%です。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」です。なお、取得株数は1,050,100株、取得資金の総額は2,078,585千円なので、1株当たり1,979円で取得していることになります。以下、株価の推移です。

最近60日間の売買状況によると、取得を開始したのが2021年9月27日です。最近60日間の売買状況に記載されている取得株数を合計すると1,050,100株と大量保有報告書の株数と一致するので、9月27日から取得を開始したことになります。9月末の株主名簿に登場していますから、10月上旬~中旬くらいの時点で大平洋金属は旧村上ファンドに株式を取得されていることを把握していたと想定されます。

大平洋金属は四季報によると「日本製鉄系。ステンレス原料のフェロニッケル製錬で世界上位級。ニッケル価格で業績変動」となっています。本日時点の時価総額は409億円で、PBRは0.59倍です。

2021/3期の有価証券報告書を見ると、現預金21,486百万円、流動資産の有価証券3,000百万円、投資有価証券19,594百万円、有利子負債0となっています。旧村上ファンドの好みそうな財務体質です。

株主構成を見ると、金融機関35.26%、金融商品取引業者7.25%、その他の法人13.69%、外国人等20.7%、個人その他23.02%となっています。上位株主に日鉄ステンレス10.51%や取引先持株会1.43%がいますが、それ以外の安定株主が上位には登場していませんね。外部から見た安定株主比率はその他の法人13.69%+取引先持株会1.43%の合計15.12%です。銀行や生損保も上位に登場していないだけで多少持ってはいると思いますので、実際の安定株主比率は15.12%~20%の間くらいじゃないかなあと推測します。

なお、大平洋金属は旧村上ファンドだけではなく、エフィッシモも大量保有報告書を提出しています。エフィッシモが大量保有報告書を提出したのは2018年12月19日で保有割合は5.09%でしたが、その後少し買い増しをしたのか直近の保有割合は5.11%です。

複数のアクティビストに同時にターゲットにされることはたまにあります。例えば島忠とか。今後の対応が大変そうです。

 

 

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