2021年11月12日

旧村上ファンドの新生銀行株の取得状況:一部訂正

本日16:00に提出された大量保有報告書によると、旧村上ファンドは新生銀行株を5.29%保有しています。保有株数は13,703,399株で、内訳はシティインデックスイレブンス3.20%・8,297,200株、野村絢氏5,406,199株です。新生銀行はけっこう自己株式を保有していて、発行済株式総数は259,034,689株ですが、総議決権株数は215,265,200株です。ということは13,703,399株÷215,265,200株=6.37%です。

なお、大量保有報告書の最近60日間の売買状況に記載されている取得株数を足すと、シティ社8,297,200株、野村絢氏5,406,199株、合計13,703,399株と大量保有報告書の保有株数と一致します。最近60日間の売買状況を見ると9月21日からの分が記載されていますが、9月21日から取得を開始したようです。SBIが新生銀行への敵対的TOBの実施を公表したのは9月9日です。

ISSやグラスルイスが新生銀行の買収防衛策発動議案に賛成推奨しているものの、旧村上ファンドはおそらく発動には反対するのではないでしょうか?ということはSBIの議決権割合20.32%に旧村上ファンドの6.37%の合計26.69%が確実に反対ということでしょうか?

いえ、これは正確には違いますね。というのも現時点で旧村上ファンドは議決権ベースで6.37%所有していますが、今回の買収防衛策発動にかかる臨時株主総会の基準日は10月13日(水)です。その2営業日前が権利付最終売買日となるので、10月11日(月)までに取得した株式が議決権行使できるということになります。

https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/211001_Announcement_j.pdf

9月21日から10月11日までの取得株数は8,049,477株となるため、議決権割合は3.74%です。SBIの議決権割合20.32%に加えると24.06%です。いずれにせよ預金保険機構(12.5%)と整理回収機構(9.28%)の動向次第ということになりそうですね。【11月12日18:35訂正】野村絢氏は市場外で取得しているので、10月12日と13日に取得した100万株と80万株も含めてかんがえたほうがよいのかもしれません。そうすると9,849,477株となり、議決権割合は4.58%、SBIと合わせると24.9%と考えたほうがよいのかもしれません。

ところで旧村上ファンドはかつてSBIの大量保有報告書を提出したことがあるのを覚えていますか?2012年10月17日に旧村上ファンドグループのレノがSBIホールディングスの大量保有報告書を提出しました。保有割合は5.85%でした。大量保有報告書の現物がもう昔のことなので、無料サイトでは閲覧できませんでした。なお、レノは2013年1月21日に変更報告書を提出し、保有割合が4.76%になったことが判明し、その後変更報告書や大量保有報告書は提出されていないのでEXITしたのでしょう。

さて、SBIvs新生銀行に旧村上ファンドまで登場しました。ちなみに今回の旧村上ファンドの取得資金ですが、シティ社約156億円、野村絢氏約102億円の合計約258億円です。西松建設への投資で回収した分がまわってますねえ・・・。

 

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