2022年03月24日

今回の大豊建設のスキームは簡単に言うと

株主を入れ替えたってことです。すっきりとした方法であれば、当然、麻生が大豊建設にTOBをかけて旧村上ファンドがそれに応じれば済む話です。でも旧村上ファンドにしてみれば、第三者によるTOBに応募するよりも、大豊建設に自己株TOBをしてもらってそっちに応募したほうが、税務メリットが取れるんです。みなし配当の益金不算入です。

東芝機械にも主張してましたよね?東芝機械が保有するニューフレアテクノロジーの株を東芝グループ会社によるTOBに応じるのではなく、ニューフレアテクノロジーに自己株TOBをしてもらうよう交渉せよ、そっちのほうが税金取られないからそっちにしろ、と。

今回の一連のスキームが予定通りスムーズに行われれば、約40%を所有する旧村上ファンドの持分はゼロになり、麻生の持分は50.97%になります。複雑に見えますが、単に株主構成を入れ替えたというだけです。麻生がTOBをすれば外部から見るとわかりやすいものの、旧村上ファンドがそれだと取られる税金が多くなるので自己株TOBをかませろ、と交渉したということでしょう。

旧村上ファンドはさすがです。本当に徹底した利益追求だと思います。

 

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