2022年06月30日

東芝の役員選任議案の賛成率

東芝が臨時報告書を提出し、今回の役員選任議案の賛成率がわかりました。

こちらをご覧ください

皆さん、辞任された綿引さんの賛成率、何%だと思いますか?私は株主の良心に期待し、そこそこ高い賛成率であってほしいと思っていましたが、結果は・・・

64.03%です。

株主って本当に短期的な儲けしか考えていないですねえ。少なくともアクティビストってヤツは。以前から申し上げているとおり、私は東芝の株式を100株保有しています。職業柄、東芝の株主総会に関心がありましたので取得しました。取得価格は2,969円ですので、現状かなり儲かっています。そして一部報道にあるとおり、仮に7,000円で買ってくれるのなら大儲けです。

でも私は東芝の非公開化には反対です。某投資家が7,000円で買って非公開化するということは、東芝には7,000円超の価値があるということでしょう?だったら別に非公開化する必要はなく、中長期的に7,000円を超える株価に経営陣がしていけばよい話です。だから私は7,000円でTOBを仕掛けても応募しません。これは抗議の意でもあります。まあ、抗議の意を示しても、最終的には7,000円でTOBがかかったらみんな応募して、最後には追い出されるのでしょうけど。

以下のとおり、私は朝日新聞のインタビュー記事でこう答えています。朝日さん、有料記事ですが、ちょっとだけ抜粋させてくださいね。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6X6JN1Q6WULFA00W.html

綿引氏は(事業売却などに頼らずに)中長期的に企業価値を高めていく上で、最後の良心とも言える存在ではなかっただろうか。そのような人物が取締役会からいなくなったことで、東芝の迷走と非公開化に向けた暴走が始まる気がしてならない

想像ですが、私は、綿引さんは今の状態で東芝を非公開化することに否定的だったのではないか、少なくともアクティビストに牛耳られた取締役会で議論して非公開化を決定するのは問題があると考えていたのではないか、と思っています。そして東芝の社内役員や執行役員にも「本当に非公開化なんてする必要があるのか?」と考えている人がいるのではないでしょうか?そして東芝の社員は「非公開化なんてしたら、いずれ東芝は解体されるんじゃないか?東芝じゃなくなっちゃうんじゃないか?」と不安に思っているのではないでしょうか?

東芝の経営陣に聞きたいのですが、なぜ非公開化するのでしょうか?非公開化しないとできないことがあるのでしょうか?非公開化するメリットは何でしょうか?答えられますか?取り繕った回答ではなく、本音の回答をできますか?できないでしょ?

なぜ東芝は非公開化するのか?アクティビストに言われているから、ですね。アクティビストにもうこれ以上経営を引っ掻き回されたくないから、ですね。車谷さんがきっかけを作っちゃったんだよ!かもしれませんが、この期に及んで言い訳はよくないし、いなくなった人のせいにするのもやめたほうがよい。

綿引さんも東芝の経営陣に対しておそらく「本当に非公開化が必要なのか?」「アクティビスト出身者で固められた取締役会での議論で決定してよいのか」という問題点を指摘していたことでしょう。どうして東芝の経営陣は綿引さんの意見を聞き入れなかったのでしょうか?どうして綿引さんを辞任させてしまったのでしょうか?辞任したのは綿引さんのご判断ですが、私はそうさせてしまった東芝の経営陣に責任があると思っています。東芝のステークホルダーは、東芝の最後の良心である綿引さんを辞任に追い込んだ現経営陣を糾弾すべきだ!

なぜ現経営陣は綿引さんのアドバイスに耳を傾けなかったのか?アクティビストが怖かったのでしょう。そして「せっかくアクティビストがいなくなるんだから、彼らを刺激するようなことはもうしたくないんだよ」とも思っていたのでしょう。でも一部のアクティビストはロールオーバーすると言ってるんですよね?東芝さん、アクティビストとは長い長い付き合いになるかもしれませんよ。もうすでに当初の東芝の目論見が崩れつつあるのです。勇気をもってアクティビストと対決すべきでしたね。

東芝の経営陣には一言「情けねーなあ」と申し上げたいと思います。会社のことを一番考え、心配していたのが社内役員ではなく社外取締役だったってのもおかしな話ですよ・・・。

日本の経営者の皆さんに言いたいことは2つ。アクティビストが介入してくると、本当に会社がひっくり返ります。解体されるリスクがあります。経営・本業に集中できなくなり、会社の中長期的な競争力がそがれます。そうならないよう、ちゃんと株価を上げる努力をしておくべきですし、株価を上げるだけではどうにもならない面があるので買収防衛策をきちんと導入しておくべきです。そもそも日本の平時型買収防衛策は買収防衛策ではありませんから。

そして日本の経営者の皆さん、社外取締役にふさわしい人物像が今回の件を通してわかったのではないでしょうか?たとえ取締役会の多数が自分と反対意見で、四面楚歌状態にあったにも関わらず、会社の中長期的な利益のために、会社のすべてのステークホルダーのためにご自身の信念を貫き通した綿引さんのような方が社外取締役としてふさわしいのです。このような私心のない方こそが日本企業の社外取締役としてあるべき人物なのではないでしょうか?

 

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