2021年07月01日

今日の日経夕刊「十字路」

今日の日経夕刊「十字路」です。

アクティビストのように考える

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK293EA0Z20C21A6000000/

内容はおおむね理解できます。当方のアドバイスも「アクティビストはどう考えて行動するか?」を想定して対策を練ります。以下、内容を少し抜粋してコメントします。

株主が経営に注文をつけるのは当然だとアタマでは分かっていても、口角泡を飛ばして議論をふっかけてくる印象が強いアクティビストは、どうにも肌が合わない。できることなら関わりたくない……。そう思われる方も多いのではないか。

できることならどころか「絶対に関わりたくない」と考えている経営者が多いのではないでしょうか?そして私の知っている経営者は「関わらないためにはどうすればよいか?」を真剣に考えています。イコール「企業価値を向上させるにはどうすればよいか?」を真剣に考えています。ちなみに買収防衛策を導入することも企業価値向上策の一つです。買収防衛策は経営者の保身ではありません。導入している会社は企業価値向上を真剣に考えるようになります。

投資銀行に助言を求めるのもよいが、手数料は決して安くない。場合によっては、資本提携と銘打っての株式持ち合いを進められるなど、ちょっと首をひねりたくなる事例もあるようだ。

すんげー高いです。すんげー高い手数料に見合ったアドバイスをしてくれるかどうか・・・。投資銀行、アドバイザー次第でしょう。ですので経営者、CFOの皆さんはアドバイザーの実力を見抜く目を養う必要があると思います。ちなみに持ち合いは善です。それが経営者の保身ではなく、一部の自分だけの利益しか考えない強欲なアクティビストからすべてのステークホルダーの利益を守るためなら、です。

もっと安上がりで効果的なアクティビスト対策がある。経営陣が自らアクティビストの立場になって考え、先んじて手を打つことだ。

余裕資金があれば、投資に回すか株主に還元するかを明確にしておく。投下資本利益率(ROIC)が低い事業はテコ入れするか売却するか、少なくとも議論はしておく。経営者報酬の決め方も透明性を高める。

おっしゃりたいことはよくわかるのですが、これだと「アクティビストが納得する経営・財務施策をせよ」になってしまいます。余裕資金についての考え方はステークホルダーの立場によって変わります。経営者が必要と考える余裕資金とアクティビストが考える余裕資金は往々にして異なります。経営者報酬の決め方の透明性を高めたところで、決め方に納得しない場合もあるでしょう。株主が納得しない経営・財務施策をせねばならん場合もあります。「株主への説明が足りんから納得しないのだ!」という意見もあるかと思われますが、往々にして利益の時間軸が異なる株主を納得させるのは困難な場面があります。そのためにもある程度の持ち合いは大事です。世間の波と異なる意見でスミマセン。

旬刊商事法務6月5日号に、エフィッシモ・キャピタル・マネージメント幹部のまとまった発言が掲載されている。アクティビスト的思考は「キャッシュをよこせ」ばかりでは決してない。

ちょっと違います。アクティビストは直接的にはキャッシュをよこせと言っているように見えますが、本質的には「株価をあげよ」と言っています。株価を上げるためにキャッシュを吐き出せ、と言っています。ようは株価なんです。さらに言えば、彼らの関心は株価だけなのです。経営者は株価だけを意識して経営している訳ではありませんし、そんなことはできません。いろんなことを意識しなくてはなりません。もちろん日本の経営者はこれまで株価や株主還元についてあまり意識が高くありませんでした。それは証券会社のせいです。証券会社が「株で調達した資金は返さなくていい資金なのですー!」っていうわけのわからんセールストークでエクイティファイナンスをすすめてきたから、経営者のアタマには「株で調達した資金は返さなくていい資金」という考えがしばらく根付いてしまったのでしょう。それもだいぶ変わってきたと思いますよ。

アクティビスト対策をするためには何をすればよいのでしょうか?それは適切なアドバイザーと日々企業価値や企業防衛について議論をすることです。経営者がよく勘違いすることですが、「アクティビストはあの会社を買ってどうするつもりだんだろうか?特に魅力のない会社なのに」とおっしゃることがあります。アクティビスト目線で考えることが重要です。外から見たら貴社や同業、業界はどう見えているのか?ということをよく考えることが大切なのです。

うちの業界では再編なんて起きないよ。アクティビストから見たら違うのです。

 

 

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