2022年09月21日

セントラル硝子の従業員はどう思ってるんですかね?

昨日お伝えしたとおり、セントラル硝子が自己株TOBを実施し、旧村上ファンドの持ち分を買い取ることになりました。予想通りの展開ですね。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4044/tdnet/2182975/00.pdf

総額500億円の自己株TOBです。時価総額が1,400億円しかない会社が・・・。旧村上ファンドが登場する前の時価総額は1,000億円を切るレベルでしたから、セントラル硝子としては時価総額の半分くらいを自社株買いする感覚じゃないかなと思います。

セントラル硝子は上記プレスでこう言っています。

上記電話会議時点で当社が認識していたシティインデックスイレブンスらが所有する当社普通株式の所有割合にあたる株式数の自己株式取得であれば、本公開買付け実施後の2025年3月期のNetD/Eレシオ(純負債資本倍率)は1倍未満となることが想定され、当社の事業継続に支障を来すことのない財務の健全性及び安全性を維持することが可能

これまで株主還元を強化せずに株価を割安な状態にしていたからしょうがないのかもしれませんが、やはり私は「それにしてもいっきに500億円もやります?」と感じます。

セントラル硝子はどのようにして内部留保を厚くしてきたのでしょうかね?どういう思いでやってきたのでしょうか?従業員の給料をおさえ、会社を長く存続させるために、内部留保を厚くしてきたのではないでしょうか?いざというときに困らないように、リーマンショック級の経済危機が来た時に備えて、といった感じでしょうか。

これ、本当に株主だけに還元してよいものですか?従業員の給料もちゃんと上げるべきでは?株主だけに500億円も還元していいの?会社は株主だけのものなの?今回の株主還元を従業員はどう見てるの?

「うちの経営陣は情けない」って思われてませんか?

セントラル硝子の従業員はこれまでかなり経費も切り詰めてきたんじゃないですか?やりたい投資があっても「高すぎる」って却下されたこともあったんじゃないですか?苦労して苦労して切り詰めてきたのに、セントラル硝子の経営陣は旧村上ファンドに500億円支払います。

従業員は「やってらんねーよ」と思ってるんじゃないですか?こんな記事もありました。

セントラル硝子、総資産2割圧縮 国内ガラス「撤退も」

株主に500億円払う余裕、あるんですかね?そりゃ今の今はできるかもしれませんが、中長期的に困りません?

これ、旧村上ファンドの圧力に経営陣が屈したということでしょう?今回の500億円の自社株買いは旧村上ファンドの圧力に屈してやるのですから、これこそ「経営陣の保身」ではないですか?

セントラル硝子だけではなく、ほかにも旧村上ファンドの要求に応じて大規模な自己株TOBをやった会社はあります。私はこういった行為は経営者の保身であると思っています。もちろん旧村上ファンドの言い分も理解できますし、ある程度株主還元を強化したほうが良い会社もあります。しかし私には「これはやりすぎだろ?」と見える事例もあります。

こういうことにならないよう、普段からやはり企業防衛について考えておかなくてはならないのです。株主が株主還元を強化しろというのは当たり前です。なにもおかしな主張ではありません。ただ、あまりに金額が大きいと、株主以外のステークホルダーが不利益を被ります。セントラル硝子の従業員、これから給料上がります?上がらんでしょ?

会社のステークホルダーは株主だけではありません。従業員、取引先、金融機関、地域社会、国といったようにさまざまです。株主は重視すべきステークホルダーではあるものの、他のステークホルダーの利益を犠牲にして、過剰な株主還元をすべきではないと思います。それは株主の圧力に負けて、自身の立場を守るためにやる保身行為ですよ。

私はすべてのステークホルダーの利益を調整し、一部のステークホルダーの主張だけが通らないようにするための買収防衛策というルールは必要だと思います。買収防衛策は買収防衛策ではないということをあらためて認識していただきたいですね。

 

 

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