2024年02月06日

旧村上ファンドがまた変更報告書を提出

旧村上ファンドがまた変更報告書を提出しました。これで以下の通り5%を切りましたので、もう変更報告書は出ません。また買い増してくるかもしれませんが、その際は大量保有報告書が提出されます。しかし、大量保有報告書提出⇒株価急騰⇒即売却って何回やるの???

マーケットが「村上さんが買ってくれた!大平洋金属に対して何かしら経営改革を要求してくれるに違いない!よし!応援するためにボクも大平洋金属株を買うぞ!」という人たちを裏切ったことになりますねえ。以前は「村上さんは市場の番人だ!」「村上さんは日本企業のコーポレートガバナンスを変えるために投資してくれているんだ!」「日本の上場会社をかえるためなんだ!」と思ってくれる人たちがいたと思いますが、目先の利益を優先すればするほど、旧村上ファンドのファンがいなくなります。

村上さんのことを誰も応援してくれない=株主提案をしようが「どうせ自分たちが売り抜けるためにやってるだけだろ?」と見なされて誰も賛成してくれない、ということになります。短期で儲けるということは、何かしら中長期での犠牲を払っているということなんですよ。わかります???この場合、村上さんはマーケットからの信頼を失い、誰も村上さんの言うことを支持してくれなくなるという犠牲です。

その結果がコスモエネルギーHDに対する旧村上ファンドの株主提案がご自身以外だれも支持しなかったということですよ。「コスモ株は岩谷に売って大儲けしたからええわい!」と思っています?それでいいと思いますよ。それが投資家の仕事ですから。ただそれが目的なら「日本企業のコーポレートガバナンスを変えるために投資している」などとは言わないことです。正々堂々と「金儲けして何が悪いんじゃい!」と言っていただきたい。

前置きが相当長くなりました・・・ま、以下の通りです。

ホンマ、すぐ売ったな。大量保有報告書を提出して翌日に株価が急騰したら売却開始、売却したことが判明するへの九報告書を2月5日に提出したと思ったら、翌2月6日には5%を切った旨の変更報告書提出。

ある意味、徹底した金儲け。これはこれですがすがしいし、すんばらしいと思いますよ。徹底した利益至上主義に慄然とはしません。あの裁判で裁判所が言ってたことはこういうことではないですから。まあでも、ちょっとどうかなあとは思いますが、これはこれでご自身が築き上げた「村上ブランド」をうまく活用した儲けと言えます。乗ってしまった投資家の自己責任です。大平洋金属の経営改革に期待した投資家はかわいそうですが。

ではさて、上場会社サイドの問題です。「やっぱり村上はすぐに出ていくじゃないか!株価が上がるまで放っておけばいいんだよ」と思った人、いませんか?間違いです。村上さんが出ていくかどうかは誰にもわからないし、村上さんが登場してからすべきことは、これ以上買われるかもしれないという前提での対抗策の準備ですから。なーんにもしないで「出ていきますように!」ってお祈りだけしてちゃあダメよ。

ちなみに大平洋金属、村上さんは出ていきましたけど、エフィッシモがまだ5.11%持ってますけどね。村上さんが出ていったけど、エフィッシモもいるし、また別のアクティビストが登場する可能性も踏まえた対抗策の準備が必要なんですよ。

三井不動産がターゲットになる時代を私以外に誰か想像していましたか?あ、三井不動産に対するエリオットのアクションは明日のコラムにします!誰も予想しないアクションをまとめます!

 

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