三陽商会に対する株主提案に答えがある
三陽商会商会が株主提案をされているそうです。日経ビジネスに「三陽商会に株主提案、赤字なのに増配要求の訳」という記事がありました。
株主提案には「貴社は18年9月末の連結貸借対照表にて現預金及び投資有価証券の合計額350億円を有し、そこから有利子負債91億円を差し引いた純額も259億円となり、盤石な財務基盤を有しています。」と書いてあるそうです。三陽商会が送付した招集通知を見ると以下のことが提案理由として記載されていました。
https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/ir/pdf/76_shareholders_meeting.pdf
1.提案の内容
剰余金の処分(増配)の件
平成30年12月期の期末配当として、普通株式一株当たり金80円を配当する。
2.提案の理由
貴社は、平成30年9月末の連結貸借対照表にて現預金及び投資有価証券の合計額350億円を有し、そこから有利子負債91億円を差し引いた純額も259億円となり、盤石な財務基盤を有しています。反面、貴社のコーポレートガバナンス・ポリシーで重点指標として掲げられている、純資産利益率(ROE)改善の観点から、資本の効率化が望まれます。従いまして、資本効率化策の一つとして一株当たり80円の配当を提案します。同金額は貴社の平成30年9月末の純資産を元にした純資産配当率(DOE)で2.0%相当で、その水準を安定的に継続することは可能であり、妥当なものであると考えます。
三陽商会って、記事にもありますがバーバリーのライセンス契約が終了して苦しんでいる状況のようです。以下、連結業績推移です。
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
純利益 |
2015/12期 |
97,415 |
6,577 |
7,036 |
2,595 |
2016/12期 |
67,611 |
▲8,430 |
▲8,196 |
▲11,366 |
2017/12期 |
62,549 |
▲1,907 |
▲1,941 |
▲1,025 |
2018/12期 |
59,090 |
▲2,176 |
▲1,950 |
▲819 |
2019/12期(予) |
62,000 |
400 |
600 |
500 |
バーバリーとのライセンス契約が終了してから厳しいですね。この状態の会社にいくら財務がまだ潤沢とはいえ、増配しろー!って言いますかね・・・。
皆さん、これが株主なんです!!!会社の中長期的な成長や経営陣・従業員の不安など一切おかまいなし、株主の取り分を寄こせ!と容赦なく主張してきます。
三陽商会のケースはいずれ詳細に分析したいと思います。