2019年06月13日

ゴールドマン・サックス 「物言う株主」対策支援~これは非常に興味深いです~

本日6月13日の日経9面に〈金融大手 難局に挑む〉(1)中国M&A減、日本に好機 米ゴールドマン ウォルドロンCOO 「物言う株主」対策支援という記事があります。米ゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン社長兼最高執行責任者が、日本でもアクティビスト(物言う株主)の存在感が高まるなか、その対策や企業価値の向上で企業への助言を強化する考えを示したそうです。以下、記事の主な内容を抜粋します。

日本のビジネスではアクティビストの動向に注目する。「米国で成功したアクティビストが日本市場にやってきている」。ゴールドマンはオリンパスや東芝といった日本企業に外国人株主との交渉で助言役を務めた。

ウォルドロン氏は「世界を見渡すと、日本はまだ複数の事業を保有するコングロマリット形態の企業が多いとみられている」と話す。こうした複合企業に事業売却などを求めるアクティビストも多い。世界の投資家や株主動向に詳しいゴールドマンは日本企業から複数の対策案件を請け負っているといい、「助言できる機会が増える」とみている。

ゴールドマン・サックスが日本の上場会社に対して、アクティビスト対策に関する助言業務を強化するそうです。理由は米国で成功したアクティビストが日本市場にやってきている、からだそうです。

私の見方はやや違います。米国で成功したアクティビストが日本にやってきているのは、もう米国ではアクティビストが儲からないからではないでしょうか?米国企業は合理化・効率化が進んでおり、アクティビストが物言う余地がなくなってきています。一方、日本企業の合理化、効率化はまだまだであり、アクティビストの物言う余地がたくさんあります。アクティビストにとって日本の市場は宝の山なのです。しかも、金融機関を中心とした安定株主に守られていたはずの日本企業には、もう安定株主がいなくなっています。アクティビストが攻め落とせる可能性が高まっているのです。

また、記事にはとっても重要な内容があります。「ゴールドマンはオリンパスや東芝といった日本企業に外国人株主との交渉で助言役を務めた。」という部分です。ゴールドマン・サックスは東芝の第三者割当増資のアレンジを行いました。世界の名だたるアクティビストを引受先とした大規模な第三者割当増資です。世界の名だたるアクティビストを引受先としてアレンジしたのがゴールドマン・サックスなのです。ここがポイントです。

また、バリューアクトから取締役を迎え入れるオリンパスの助言役を務めたという点も重要です。非常に気になりますね~。オリンパスはバリューアクトから取締役を迎え入れ、株式分割をし、指名委員会等設置会社に移行します。この一連のアドバイスをしたのがゴールドマン・サックスだったということでしょうか?

ゴールドマン・サックスのこの動きは要注意だと思います。これ、明日のコラムにします。

 

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