2019年06月18日

日経ヴェリタス~増える株主提案、総会で対決~

3月決算企業のうち、株主提案を受けた会社は54社だそうです。記事に「今年から、株主提案が違うステージに入った」という記載があります。どういう意味かと言うと「貸借対照表を表面的に見るのではなく、「事業をより深く分析したうえでの提案が目立つ」」ということだそうです。

私、株主提案が違うステージに入ったのかどうかは、まあどうでもよいことと思います。大切なことは、国内機関投資家が違うステージに入ってしまったということです。これまで日本の上場会社に株主提案をしても可決されることはまずないと考えられてきました。それは一見すると安定株主のおかげと捉えられがちですが、実は違います。そもそも安定株主比率が50%を超えている会社などほとんどありませんから。日本の上場会社に株主提案をしても可決できないのは、個人株主の白票のおかげと国内機関投資家が株主提案に賛成してこなかったからです。

でも国内機関投資家は買収防衛策には反対し、株主提案にも賛成するようになってきました。こうなってくると、個人株主比率の高くない会社は非常にしんどくなります。武田薬品にクローバック条項の導入を求める株主提案がなされているようですが、これは定款変更が必要な議案ですから、可決されないでしょう。しかし、あと数年たったらそうもいっていられないかもしれません。

本当にこのままの会社法でよいのか?株主提案に関しては、仮に可決されたとしても取締役会の判断で拒否できるような法制度の検討もすべきではないでしょうか?

 

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