2019年10月08日

乾汽船は買収防衛策廃止の株主提案を取り上げず~ヨロズの影響~

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9308/tdnet/1755706/00.pdf

乾汽船株式の28.15%の株式を保有するアルファレオが乾汽船に対して買収防衛策の廃止を含む5つの議案を株主提案していましたが、乾汽船は買収防衛策廃止の株主提案を「適法性に疑義があると判断」し、議案として取り上げないこととしました。

ヨロズの東京高裁の決定が影響しているのでしょうね。ヨロズと乾汽船では定款変更をしているかどうかの違いがあるとは思うのですが、東京高裁の決定において「事前警告型買収防衛策の導入は、その性質上、取締役会において決定することができるもの」「株主総会の決議なしに、あるいは、定款に全く規定がないままにされた株主総会決議を踏まえ、取締役会の決定でその導入を決定している株式会社も存在」「本対応方針は敵対的な買収に対する防衛策であり、その導入についてはともかく、その廃止については株主総会の決議に係らしめないこと自体は合理性がある」と言及されていることから、議案として取り上げなかったのかもしれません。

日邦産業についても佐々木ベジさんは同様の考えのもと、株主提案をしていないのかもしれません。なお、フリージア・マクロスの四季報を見ると「【日邦産業株】6月末までに19・68%保有。『企業価値向上に向けた経営改善のお願い』を保有目的に追加も長期での友好関係構築を最優先。」とあることから、株主提案をすることで敵対的な関係になってしまうことを懸念したことから買収防衛策廃止の株主提案をしていないのかもしれませんね。

この件はいずれコラムでとりまとめます。防衛戦略に大きな影響はないとは思いますが(取締役会決議で買収防衛策を導入しても、経営トップの選任議案に反対されるため)。

 

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