2020年01月17日

そりゃこんな安い価格だったら東芝の経営陣は不愉快でしょうな

今日の日経3面ニューフレア株、東芝のTOB成立へ 東芝機械が応募 HOYA再提案せずという記事があります。電子版のほうには記載がありませんが、紙面のほうを見ると

東芝は20日に臨時取締役会を開き、全会一致で「HOYAの提案に応じない」と方針を決議。東芝幹部は「社外取からも『HOYAの提案は不愉快だ』と声が上がり、わずか10分で結論が出た」と話す。東芝株を保有するファンド幹部も「取締役会の判断を尊重している」と述べた。

当たり前です。東芝のニューフレアテクノロジーに対するTOB価格は11,900円です。それに対してHOYAは12,900円で買うと対抗提案を出しました。東芝はニューフレアテクノロジーを完全子会社化してこれから価値を高めていこうとしているのに、そんな東芝に対して「ニューフレアテクノロジーを貴社のTOB価格よりも1,000円高い価格で売ってください」と言っています。

売る訳ないでしょ!!!東芝の社外取締役もそりゃ不愉快でしょうね。「はあ?たった1,000円高い値段で売れって言ってるの?検討の余地なしでしょ?」と考えるでしょうね。

HOYAともあろう会社が本当に1,000円高いだけで東芝が応じると考えていたのでしょうか?正気でしょうか?また、1,000円高い価格を提示しておけば、東芝機械が東芝のTOBに応じられないと考えていたのでしょうか?正気でしょうか?東芝が応じない以上、HOYAのTOBは成立しないのですから、成立しないTOBには応募を検討することができません。価格は1,000円安いけど、現実的に成立するTOBに応募しないと現金化の手段がないのですから・・・。

HOYAは非常にハードルの高いことにチャレンジしたのですから、それ相応の戦略を練っているものだと思っていました。当然、FAをつとめている大和証券もです。大和証券はHOYAとともに東芝に対してケンカを売ったのですから、未来永劫、東芝とのビジネスはのぞめないでしょう。それでもよいからHOYAの敵対的TOBに協力したのではないのでしょうか?勝てないかもしれないけど、いい戦いをすることによって、「さすが大和証券!敵対的TOBを実施する際や実施された場合のアドバイザーは大和証券にするのがよい」とみんなに思ってもらうために今回HOYAのFAを引き受けたのではないのでしょうか?大和証券はこれから敵対的TOBへの支援もしていくそうです。

「合意なきTOB引き受けも」 大和証券グループ本社社長 中田誠司氏

こんな戦い方をアドバイスしたと思われる大和証券に誰が敵対的TOBの支援を頼むのでしょうか?

まあ、まだもしかしたらHOYAと大和証券は隠し玉を持っているのかもしれませんけどね・・・。もしかしたらOYAはこれから東芝に対して「お願いですからニューフレアテクノロジーを売ってくれませんか?」ってお願いしに行くのかもしれませんけど。

上記内容はあくまで現時点で公表されている情報をもとにした評価ですので。

 

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