2020年01月21日

東芝機械に対する村上ファンドの敵対的TOBの条件と詳細について

村上ファンドが東芝機械の公開買付届出書を提出しました。以下、TOB条件と詳細についてです。公開買付届出書から抜粋しています。

公開買付者:シティインデックスイレブンス

TOB価格3,456円 

根拠は「対象者がこれまで蓄積した不必要な内部留保に加え、今回のニューフレア株式の売却資金を用いて、株主価値向上及びROE向上を実現するために、対象者においてコーポレート・ガバナンスを改善する余地が十分あると考え、株主として対象者の株主価値向上にコミットした上で、発言権を強化しコーポレート・ガバナンスを改善することを企図し、2020年1月20日、対象者の株価純資産倍率(PBR)1倍程度である対象者株式1株当たりの価格3,456円で対象者株式を取得するのであれば、解散価値と概ね等しく割高とは考えられないことから公開買付者の経済合理性に適うと考え、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格を3,456円とした」だそうです。

東芝機械の経営陣について

「公開買付者グループは、対象者の現経営陣と公開買付者グループの間で互いに手を取り合い、協力関係を持ちながら持続的な株主価値向上を実現することが可能であると考えており、現経営陣と引き続き対話を続けることにより、経営陣の交代を提案せずとも、株主価値の最大化や、コーポレート・ガバナンスの改善が行われると現時点では考えております。具体的には、現経営陣との対話を通して、自己株式取得等といった方法による不必要と考えられる内部留保の解消により、対象者の株主価値向上が図られると考えております。公開買付者グループは、対象者の経営陣が、株主価値の最大化を企図する経営を行う限り、対象者の経営に関与する予定はなく、現経営陣に、引き続き対象者の経営を担って頂きたいと考えております。なお、公開買付者グループは、対象者経営陣と株主が互いに手を取り合い協力関係を持ちながら経営を行うべきであると考えているため、現経営陣から、対象者の株主価値向上に寄与するため経営に参画するよう、社外取締役の派遣等の依頼があった場合は、かかる依頼を真摯に検討いたします。」としています。

買付予定数の下限3,500,000株(所有割合14.50% 村上ファンドの現状の所有割合12.75%と合わせると27.25%

「公開買付者グループは、対象者の現経営陣と公開買付者グループの間で互いに手を取り合い、協力関係を持ちながら、持続的な株主価値向上を実現することが理想的であると考えている一方で、公開買付者グループは、本公開買付けの実施前の2020年1月20日時点で対象者株式3,076,200株(所有割合:12.75%)を所有していたにも関わらず、対象者経営陣が、公開買付者グループによる対象者の株主価値向上や、コーポレート・ガバナンスの改善に関する提案を受け入れることがないため、公開買付者グループの過去の投資案件における経験も勘案して、株主として対象者の株主価値向上にコミットした上で、対象者への発言権を強化しコーポレート・ガバナンスを改善するためには、所有割合にして最低でも30%前後は保有することが望ましいと考えました。一方で、本公開買付けは、いわゆる企業買収や支配権獲得のための公開買付けではないことから、他の株主にとっては本公開買付け成立後の所有割合よりも売却機会がどの程度のものか、すなわち、新規に買い付けられる対象者株式が何株かということの方が重要であろうと判断し、買付予定数を切りの良い分かりやすい株式数にした方が良いと考え、買付予定数の下限を3,500,000株(所有割合:14.50%)に設定(公開買付者グループの合計で6,576,200株。所有割合:27.25%)しました。」だそうです。

買付予定数の上限7,500,000株(所有割合31.07% 村上ファンドの現状の所有割合12.75%と合わせると43.82%

「公開買付者グループとして役員の選任等の株主総会の普通決議を単独で可決したいという意向はなく、公開買付者グループにおいて対象者の議決権の過半数を取得する必要はないと考える一方で、対象者の株価が、解散価値と等しい株価純資産倍率(PBR)1倍である本公開買付価格であれば十分に割安な取得価格であると考えており、対象者の議決権の過半数を取得しない範囲でできるだけ多くの株数を保有した上で、株主として対象者の株主価値向上についてコミットメントしたいことから、他の株主にとっては本公開買付け成立後の所有割合よりも売却機会がどの程度のものか、すなわち、新規に買い付けられる対象者株式が何株かということの方が重要であろうと判断し、買付予定数の下限と同様に買付予定数を切りの良い分かりやすい株式数にした方が良いと考えたことも合わせて、7,500,000株(所有割合:31.07%)に設定(公開買付者グループの合計で10,576,200株。所有割合:43.82%)しております」だそうです。

東芝機械が公表した対応方針(買収防衛策のようなルール)の順守方針

「対象者対応方針プレスリリースが公表されておりますが、公開買付者グループは、対象者対応方針プレスリリースの記述は不当なものであると判断し、上記の対象者の対応にかかわらず、本公開買付けの実施を決定するに至っております。」だそうです。つまり東芝機械の対応方針のルールには従わないということですね。

公開買付け成立後の株券等の追加取得の予定

「公開買付者グループは、本公開買付けによって公開買付者グループが所有する対象者株式の数の合計が10,576,200株に満たなかった場合には、本公開買付けの公開買付期間の終了後に、当該株式数と本公開買付けにより買い付けた対象者株式の数の差の範囲で、対象者株式を追加取得することを予定していますが、具体的な時期や方法については、現時点では未定です。」だそうです。

公開買付期間2020121()34()までの30営業日間

公開買付代理人 三田証券

出た!やっぱり三田証券ですか。

以上、TOB条件と詳細はこんな感じです。

 

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