2020年01月21日

村上さんのインタビュー記事:追加です

Q)村上さんが関わる投資会社が東芝機械に対して1株3456円で1月21日からTOBを開始しました。現在、東芝機械株を13%弱お持ちとのことですが、買い付けは所有割合で43.82%を上限としています。なぜ過半数や全部の取得ではないのでしょうか。

A)ほかの株主と一緒に東芝機械の今後を考えたいと思っているからです。過半数を取らないのはあくまでも一般の株主の方に決定権を持ってもらいたいからです。

今回のTOB価格3,456円について、BPSと同額であり、村上ファンド自身が公開買付届出書で「解散価値と等しい株価純資産倍率(PBR)1倍である本公開買付価格であれば十分に割安な取得価格」と言っているのだから、本当に株主が応募するのか疑問であると私は考えています。

こういうことを言うと、たぶんですけど村上さんは上記の回答内容に加えて「確かにBPSと同額だが、我々はリスクをとって東芝機械株を買い増すのだから、我々が考えている価値からはディスカウントした価格で株主からは譲っていただきたいと思っている。リスクをとって東芝機械株を買った結果、株価が上昇しない場面だってあるのだから」とおっしゃるかもしれませんね。

だからこそ東芝機械さんが言うように、買収防衛策っぽい対応方針が必要なのではないでしょうか?村上ファンドは東芝機械に対してどういう経営施策を実行しようとしているのか、それによってどのような影響があるのか、いったいいくらにしようと考えているのか、その価格に比べてTOB価格3,456円は高いのか安いのか、などなどです。村上ファンドにとって割安な3,456円で本当に村上ファンドに保有株を売却してよいのかをちゃんと情報を得て、検討したうえで株主も決めたいのではないでしょうか?

東芝機械の従業員の皆さんだって不安でしょうね。村上さんのことを決して悪く言うつもりはありませんが、世間一般では「え、村上ファンドってあの村上ファンド?阪神タイガースがどうのこうのってなったときに話題になった村上ファンド?お金儲けって悪いことですか!って言ってた人だよね?」って思うんじゃないですか?従業員の家族だって不安でしょ?「パパの会社、大丈夫?」ってお子さんにパパが言われてませんかね?さすがにお子さんは言わねーか。

取引先はどうでしょうか?地域社会は?

会社って誰のものなんですかね?株主のものなんですか?株主だけのものなんですかね?会社って誰によって構成されているんですかね?株主、役員、従業員、取引先、地域社会、国というステークホルダーの貢献によって構成されているのが会社ではないでしょうか?

そもそも会社は「もの」ではありません。会社は株主のものだ!って言った瞬間から、その株主は会社の役員や従業員から嫌われます。「オレたちはオマエのモノじゃねーよ!」って。

 

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