2020年01月27日

今買収防衛策を廃止しますかね

大阪有機化学工業という会社が買収防衛策を廃止すると公表しました。

https://www.ooc.co.jp/files/News/408/file/20200124_2.pdf

これだけ世の中で敵対的TOBが話題になっているときに廃止しますかねえ・・・。

 

 

大阪有機化学工業の外部から見た安定株主比率は、その他の法人35.19%、上位株主に登場する個人計6.06%、大阪有機化学従業員持株会2.81%の合計44.06%です。上位に登場する個人の方が安定かどうかはわからないので、安定株主から外すとそれでも38%もあります。外国人株主比率が低く、個人株主比率が高い会社ですから、買収防衛策の継続議案は余裕で可決できるのではないでしょうか?

時価総額は433億円ですから、規模的に大きくて狙われない水準という訳ではありません。2018/3第3四半期末の財務状況ですが、現預金75億円、短期の有価証券1億円、投資有価証券49億円、有利子負債28億円です。財務体質のよい会社です。アクティビスト・ファンドに狙われる余地がありそうです。

今年に入って1か月も経っていないのに、村上ファンドが東芝機械に敵対的TOBを仕掛け、前田建設工業も前田道路に敵対的TOBを仕掛けました。これから日本企業は経験したことのない敵対的TOB時代を迎えます。そのような時代を迎えるに当たって、情報と時間を確保するための事前警告型買収防衛策はますます必要になってくるでしょう。

東芝機械による買収防衛策発動がこれから話題になり、有識者の間でも議論が進むことでしょう。大阪有機化学工業さんという会社に何が起きて買収防衛策を廃止することになったのかは私にはわかりませんが、少なくとも今は買収防衛策を廃止するタイミングではないと思われます。

 

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