2020年02月18日

トヨタ自動車を分析し、そして見習いましょう

今日の日経7面の(Deep Insight)トヨタの持ち合い 何映すでトヨタ自動車が記事になっています。せっかくなのでトヨタ自動車の株主構成を見てみましょう。2019/3期末のデータです。

外部から見た安定株主比率は、法人株主20.50%、日本生命3.87%、三井住友海上1.97%、東京海上日動1.77%の合計28.11%です。上位に出てこない安定株主もいますから、おそらく実際には30~35%の間くらいではないかと思います。すんごく高いですね。時価総額1兆円以上の企業って、たぶん10~20%くらいだと思います。

豊田自動織機やデンソーといったトヨタグループの会社がたくさん持っているからこんなに高いのでしょう。そしてこれに加えて個人投資家向けに「AA型種類株」(議決権のある譲渡制限付き種類株)も発行しています。

https://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/investors/stock/share_2015/pdf/commonstock_20150616_02.pdf

トヨタ自動車はなぜこんなに安定株主比率が高く、かつ、種類株も発行しているのでしょうか?どうして時価総額が最大なのに安定株主比率を気にしているのでしょうか(気にしているように見えるのでしょうか)?

それは・・・わかりません。ぜひトヨタ自動車さんに聞いてみたいですね。ただ、普通に考えればですけど、やっぱり会社を乗っ取られて、経営がムチャクチャになったり、必要な内部留保まで吐き出されたりしたら困るからじゃないですか?もしくはそんな事態になったら社長が経営に専念できませんからね。中長期的に安定した経営を目指すうえでは、ある程度の安定株主は必要でしょう。「持ち合いなんて百害あって一利なし!」でしょうか?

右肩上がり!とまで言い切れませんが、まあ文句を言われる株価ではないでしょ。安定株主を確保しているけど、日本で最大の25兆円の時価総額ですし。誰も文句を言えないのではないでしょうか?

日本企業は買収防衛策や持ち合いについて文句を言われがちですが、ぜひトヨタ自動車を見習っていただきたいと思います。こうなれば誰からも文句を言われません。ただしこうなるには時間がかかりますので、事前警告型買収防衛策とある程度の持ち合いはマストです。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ