2020年02月20日

前田道路の株価と前田建設の狙い

前田道路の株価ですが、9:43時点で3,500円です。前日終値は3,710円ですから大きく下げています。前田道路がTOBを撤回するかもしれないとマーケットは見ているということでしょう。

TOBが始まる前の前田道路の株価は2,600円~2,700円近辺なので、前田道路が実施すると報道されている特別配当総額530億円、1株600円をオンした株価近辺で現在は推移しているということでしょうか?

これ、本当に前田建設は撤回しますかね?特別配当の基準日は、TOBを撤回させたいのならTOB期間内に設定するのでしょうか?確かに前田道路はTOBを撤回するかもしれませんが、特別配当の基準日後、株価は下がりますよね?TOB公表前の株価水準まで下がる可能性があります。前田建設も特別配当を受け取れますよね?

単純に、前田建設は特別配当の基準日後、下落した株価と前田建設のキャッシュ流出後の財務を勘案して、新たなTOB価格を設定してまたTOBを仕掛ければよいだけのように思えるのですが、どうなんでしょうか?

特別配当による防衛って、基本的には特別配当を公表して株価がTOB価格を上回ることを狙いますよね?これは明らかに撤回させることが狙いですよね?時間をかせいで他の対抗策を実施するつもりでしょうか?総会もありますしね。

ただ本当に特別配当だけが対抗策なのだとしたら、ちょっとどうなのかなと。配当による防衛効果はありますが、それが効果的に機能するのは相手がフィナンシャル・バイヤーのときですね。フィナンシャル・バイヤーはターゲットのキャッシュなどが狙いですから。相手がストラテジック・バイヤーのときはあまり効果的ではありません。

前田道路は前田建設の狙いをキャッシュと考えているのでしょうか?でも、前田道路は前田建設に対して前田道路株の買取を打診したけど、断られたんですよね?だとすると、前田建設の狙いはキャッシュではないですよね・・・。

うーん、前田道路は何を狙って特別配当を出すのでしょうか?撤回したとしてもまたTOBを仕掛けてくる可能性は十分にあると思うのです。もちろんあきらめる可能性もありますが。

時間をかけて他の対抗策を考えているのでしょうか?

 

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