2020年03月04日

買収防衛策は健全な流れをストップさせる?

オフィスサポートのツイッターです。

買収防衛策はこの健全な流れをストップさせることにつながる。経営陣の怠慢で株式価値が十分引き上げられていないにもかかわらず、買収防衛策により他社が買収を仕掛けにくくなることで、その会社の株主は今後も経営陣の怠慢による価値の毀損を被り続けなければならない。

https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200302-30000001-dzh-bus_all

結論を申し上げると、「事前警告型」買収防衛策は「上場企業の経営陣の役割が「株式価値を高めて株主の富を増やすこと」である以上、その手腕に応じて経営陣が入れ替わるのは資本市場としては自然な流れである。」という健全な流れをストップさせることにはつながりません。「事前警告型」であれば、です。オフィスサポートが紹介している記事を抜粋しながらコメントします。

こういった流れの中で、今後は買収防衛策を導入している企業に対する見方も変わってくると考える。買収防衛策とは、企業が敵対的買収をされないための防衛策だ。その手法は数多いが、いくつか例を紹介すると、予め定めた条件を満たした場合に時価より安い価格で新株式を購入できる権利を既存の株主に付与しておく「ライツプラン・ポイズンピル」や、株主総会で会社の合併などの重要議案を否決できる拒否権付種類株式を発行しておき、有事の時に保有者に権利行使してもらう「黄金株」などが挙げられる。

多くの日本企業が導入している事前警告型買収防衛策は「企業が敵対的買収をされないための防衛策」ではありません。あくまで、20%以上の株式を取得する場合に株主や従業員、取引先といったステークホルダーが不利な条件で買収を受け入れなくてよいように、買収提案に関する情報と検討するための時間を確保するルールです。

「予め定めた条件を満たした場合に時価より安い価格で新株式を購入できる権利を既存の株主に付与しておく「ライツプラン・ポイズンピル」ってなんですか?信託型ライツプランのことですかね?だとしたら、まだ信託型ライツプランを導入している会社ってあるんですか?かつて西濃運輸が導入していましたが、まだ導入しているんでしたっけ?

あと「黄金株」ですが、東証のルール上、基本的には導入できませんよ。導入している日本企業は国際石油開発帝石だけです。

ただ、財務や経営の理論上、買収防衛策を導入するメリットはないとする見方が強い。「敵対的」という単語が付くと印象が悪いが、敵対的買収が意味するのは「対象会社の経営陣の同意を得ていない買収」に過ぎない。裏を返せば、買収・被買収側双方の株主にとって有意義な買収案でも、経営陣が反対さえすれば「敵対的買収」となり、そのうえで双方の株主にとって有意義である以上、成立すべき買収案ということになる。

 上場企業の経営陣の役割が「株式価値を高めて株主の富を増やすこと」である以上、その手腕に応じて経営陣が入れ替わるのは資本市場としては自然な流れである。敵対的買収はそもそも、株式価値向上の点で改善の余地のある企業に仕掛けられる。となれば、現在の経営陣が常日頃からミッションを意識して経営していれば、対象にはなりにくいということだ。

 しかし、買収防衛策はこの健全な流れをストップさせることにつながる。経営陣の怠慢で株式価値が十分引き上げられていないにもかかわらず、買収防衛策により他社が買収を仕掛けにくくなることで、その会社の株主は今後も経営陣の怠慢による価値の毀損を被り続けなければならない。防衛策の導入企業の中には、「ファンドなどの多くの案は短期的視点であり、長期的に見れば株式価値の向上につながらない」と主張する企業も多いが、その判断をすべきなのは株主であり、経営陣側は描いている成長ストーリーを明確に示して賛同を得るという姿勢が求められる。まかり間違っても、株主の富を増やす一手段となり得る「他社からの敵対的買収」を、事前に寄せ付けないかのような手法はガバナンス上問題がある。

そもそも日本企業が導入している事前警告型買収防衛策に対する理解が間違っています。買収防衛策を導入していても、敵対的買収の対象には十分なり得ます。買収防衛策が導入されていると、突然TOBを仕掛けることは難しくなるというだけで、買収提案はできます。だって買収防衛策は単に自社に対して買収提案をする場合のルールを定めているだけですから。買収防衛策は「当社に買収提案をするな!」という買収防衛策ではなく、単に20%以上の株式を取得しようとする場合は買収提案に関する情報と検討するための時間をくださいと言っているルールに過ぎません。買収防衛策を導入していても、経営陣を入れ替えることは可能です。

そして買収防衛策は「この健全な流れをストップさせることにつながる」と書いてありますが、つながりません。買収防衛策があるからと言って、他社が買収を仕掛けにくくなることはありません。仕掛けにくくなるとしたら「不当に安い買収提案」は仕掛けにくくなるでしょう。全ステークホルダーにとって不当に不利な条件ではないかどうかを検証するのが日本企業が導入している買収防衛策です。

「防衛策の導入企業の中には、「ファンドなどの多くの案は短期的視点であり、長期的に見れば株式価値の向上につながらない」と主張する企業も多いが、その判断をすべきなのは株主であり、経営陣側は描いている成長ストーリーを明確に示して賛同を得るという姿勢が求められる。」とありますが、確かに保有している株式をTOBに応じて売却するかどうかを決めるのは株主です。しかし提示された買収条件で今後も会社に残って働き続けるかどうか、取引を続けるかどうかを決めるのは、経営陣や従業員、取引先などです。株主は株を売ってしまえば会社との関係が切れますが、経営陣や従業員、取引先は会社との関係は切れません。だから株主よりも株主以外のステークホルダーのほうが買収提案をより慎重に検討する必要があります。株主は目先の株価にプレミアムを付けた価格が魅力的と思えば売ればよいだけですが、他のステークホルダーはそういう訳にはいきません。

 これらを踏まえ、今後は買収防衛策を導入している企業の株価がディスカウントされるといった流れも起こり得るとみる。有名どころでは、雪印メグミルクやアルプス技研、三菱製紙、大日本印刷といった企業が買収防衛策を導入している。今後も、スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの普及に伴う日本の資本市場の変化を追いながら、これら企業の経営や株価の動きにも注目していきたい。
大日本印刷は昨年買収防衛策を廃止しています。これいったいいつの記事ですか?3月2日?ちゃんと調べて書いたほうがいいですよ。これだけで記事の信頼性が低下してしまいます。ま、僕もたまに間違ったことを書いているかもしれませんからあまり人のことは言えませんがね・・・。

 

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