2020年03月25日

東芝機械が外為法違反を主張することの違和感

東芝機械は敵対的を仕掛けたシティインデックス11がシンガポールに居住する投資家の村上世彰氏の支配下にあるとして、村上氏らの外為法に関連する手続きに不備があると主張しています。以下の日経記事をご覧ください。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55587060T10C20A2TJ2000/

これについて、私はずーっと違和感があるのです。東芝機械の主張に対する違和感ではありません。おっしゃっていることや指摘していることはごもっともだと思います。ただ、なぜ敵対的TOBを仕掛けられたこのタイミングで主張し始めたのか違和感があるのです。

現在の外為法では、10%以上の出資比率となる場合、事前の届け出が必要になります。以下の日経記事をご覧ください。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50728190Y9A001C1EE8000/

村上さんたちの東芝機械に対する保有割合の推移は以下のとおりです。

村上ファンド、東芝機械の変更報告書を提出

発行済みベースの比率では昨年2019年11月29日時点ですでに9.19%に達しています。この時点で東芝機械は村上さんたちに対して、なぜ「各種報道や投資実績を見る限り、貴社らの実質的支配者は村上世彰氏ですよね?貴社らは外国投資家に該当するおそれがありますから、これ以上買い増すなら外為法に則った手続きが必要ではないですか?」と警告を出さなかったのでしょうか?そして、その上で関係各所に対して協力を求めればよかったのではないでしょうか?

インターネットで「東芝機械 外為法」と検索すると、以下のサイトがヒットします。

東芝機械ココム違反事件

東芝機械や東芝機械の弁護士は、人一倍外為法には敏感なのではないでしょうか?なぜ昨年、保有割合が10%以上になりそうな時点で、村上さんたちのこれ以上の買い増しをストップさせるべく行動をとらなかったのか非常に違和感があります。

なんだか、昨年の買収防衛策の廃止と言い、外為法違反のおそれの件と言い、昨年時点でやるべきことをやっておけば、このような大変な事態を避けられたのではないかと非常に疑問です。

 

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