2020年07月10日

大戸屋は株主提案とTOBがセットであったことを認識していたでしょうか?

当HPで散々指摘してきましたが、コロワイドは当然、株主提案で負けることも視野に入れていたでしょうし、負けたらTOBをかけることを準備していました。

対して大戸屋はどうでしょうか?コロワイドによる株主提案にまずは勝つことだけに専念してきたのではないでしょうか?こんなに早くコロワイドが敵対的TOBを仕掛けてくるかもしれないと想定して準備していたでしょうか?

コロワイドはTOBを仕掛けることを前提に株主提案をしたのでしょう。報道によると4月からTOBの準備もしていたとされていますし、以下のとおり公開買付けに関するプレスにも以下のとおり6月上旬に株式価値算定を依頼したとあります。

公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としての笠原公認会計士事務所(以下「本算定機関」といいます。)に対し、対象者の株式価値の算定を2020年6月上旬に依頼いたしました。なお、本算定機関は、公開買付者及び 対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係は有しておりません。

今回の敵対的TOBは想定内です。だから私は以下のようなコラムをほぼ連続で書いていました。

No.810 大戸屋はまずこうすることが勝利への第一歩!

No.814 大戸屋がコロワイドに勝つためには?~個人株主の心に響く反対意見を作ってみました~

No.815 大戸屋が株主提案に勝ったら次はこう戦えばよし!

No.816 大戸屋がホワイトナイトに救出依頼をするのならこういう形にしてみては?

まずは株主提案に勝つのは当たり前です。そして株主提案と敵対的TOBをセットで考えていたら、株主提案には勝てるのです。だってコロワイドが敵対的TOBを仕掛けてくる前提で戦えば、株主に対して「コロワイドは子会社化すると言っているのに、その条件を明らかにしていません。少なくともTOBの条件を明らかにしない限り株主提案に賛同すべきではありません」ということを前面に出して主張すれば、株主が株主提案に賛同する訳がないのですから。

大戸屋にはファン株主がいるでしょう。そういった株主がTOBに応募しない可能性はあります。そして安定株主もいるでしょう。TOBに応募しない株主がそれなりにいるはずです。しかし大戸屋はそれだけでは勝てません。正確に言うと、勝てるかもしれないけど、かなり危ういです。

今回大戸屋が勝てる方法はあります。ファン株主と安定株主、そしてプラスアルファの策を講じることです。もうすでに上記コラムNo.816でも書いていますが、来週さらに詳しく解説します。日本で初めての対抗策を打ち出すことで、大戸屋が勝てる可能性があります。
 

 

 

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