2020年07月14日

大戸屋は前田道路に似ているのかもしれません

大戸屋はコロワイドに約19%の株式を保有されています。一方、前田建設に敵対的TOBを仕掛けられ成功してしまった前田道路は、前田建設が約23%の株式を保有していました。

TOB価格が結構高いという意味でも、前田建設vs前田道路に似ていますね。前田道路は冷静な判断をしなかったために、アドバイザーが提案した「特別配当」という奇策に乗っかり、前田建設に支配されてしまいました。冷静に考えたら、特別配当という奇策はなんの策にもならないことがわかるはずなのに、前田道路の経営陣は策にならない策に乗ってしまいました。

なぜでしょうか?しつこいようですが、普段から企業防衛についてちゃんと議論、勉強していなかったからでしょう。アドバイザーに対して「その策って本当に対抗策になりますか?前田建設がいったんTOBを撤回して、特別配当の効力がなくなり株価が下がった時点でまたTOBを仕掛けてきたら終わりじゃないですか?」って言えなかったのです。

前田道路はホワイトナイトが現れない以上、パックマンで対抗するしかなかったのです。もしかしたらパックマンも検討をしたのかもしれません。ただ、日本で誰もやったことのないパックマン・ディフェンスをするのは怖いでしょうね。いろいろなリスクがあります。だから検討したけど実施できなかったのかもしれません。

これも平時における勉強不足ですよ。前田道路に敵対的TOBを仕掛けてくるであろう想定バイヤーは前田建設だったと思います。前田道路の経営陣だって「前田建設が何か仕掛けてくるかも」って思っていたでしょう。前田建設が前田道路に仕掛けてきたら、取り得る対抗策はパックマンくらいですよ。にもかかわらず平時からパックマンを活用した企業防衛策を検討していなかったから実行できなかったのでしょう。

だから自社に対する想定バイヤーを検討したり、想定バイヤーが敵対的TOBを仕掛けてくるとしたらどんな条件、方法か?を考えたりし、平時から対抗策や企業価値向上策を練っておく必要があるのです。いざとなってからでは遅いのです。

大戸屋も一緒です。コロワイドが敵対的TOBを仕掛けてくることは容易に想像できました。すでに19%も持っているコロワイドに対抗するためには、練りに練った策が必要ですし、ずっと前から考えておく必要がありました。

それを大戸屋はしてきたでしょうか?皆さんはしているでしょうか?

上場している以上、明日貴社に対して敵対的TOBが仕掛けられる可能性があります。

 

 

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