2020年08月18日

大戸屋、運命の日まで1週間

以下の記事が日経ビジネスに掲載されています。

大戸屋、運命の日まで1週間、優待族はどちらの味方?

ホワイトナイトになるには、プレミアム(上乗せ)が46%ついたコロワイドのTOB価格(1株3081円)より高値で大戸屋HD株を買わねばならない。ホワイトナイトになってくれないかと打診された幾つかの企業は、新型コロナウイルスという逆風も加わり経営不振の大戸屋HDに対して、そんな高値は出せないと判断したということだろう。

本当に大戸屋がホワイトナイト候補に打診していたかどうかはわかりません。というのも、大戸屋経営陣の危機感が薄いように思うからです。オイシックスとの業務提携がコロワイドへの対抗策になり得ると考えている経営陣ですから、ホワイトナイトがいなくても助かるのでは?と甘く考えていた可能性は否定できません。

質問権も行使しないし、行使しなかったことなどをコロワイドに批判されているし・・・。すべてにおいて対応が甘いのです。本当にちゃんとホワイトナイトを探したのか疑問です。まあ、まだ1週間ありますから、大逆転のホワイトナイト登場があり得なくはないですが。まあ、なさそうですね・・・。

単元株主とは、株式の売買単位である100株だけ所有する株主のこと。これが大戸屋HDは非常に多いという特徴がある。大戸屋HD関係者によると「発行済み株式の3分の1程度が、1単元以上5単元未満の株主によって保有されている」という。そしてその大半が1単元だけの保有なのだという。1単元さえ持っていれば、株主優待として食事券などをもらえるため、優待狙いの投資家が最低投資単位だけ株を買って持っている、ということだ。

(中略)

こうしてみてくると「面倒だからとりあえずこのまま放っておこう」「コロワイドのTOBが成立しても株主優待はあるのだから、優待の権利を失わないため1単元は持っておこう」という個人株主は少なくないことが想像される。こうした行動は、株主の意図がどうあれ、結果として大戸屋HDの味方をすることにつながる。こんな株主が全体の3分の1を占めていることに、大戸屋HDはかけているのだ。

あまりに楽観的なバクチです。記事でも指摘していますが、そのような株主は市場でいったん売却し、TOB終了後、株価が下落した時点で買い戻すという行動を取るでしょう。というか、そういう行動を取る可能性があるという前提で対抗策を考えなければならないのです。

大戸屋が本当に1単元の株主がTOBに応募せずに保有し続けることにかけているのだとしたら、ちょっと神経を疑います。そんなあやうい戦略がまかりとおるわけがないのですから。そんなのは戦略とは言えず、単なるバクチなのです。企業防衛において一番取ってはいけない対抗策はバクチです。

当然、一か八かやってみよう、という戦略をとることはありますが、そういう戦略を実行するに当たっては、あらゆるリスクを検証します。そして1つ1つつぶしていきます。しかしどんな戦略にも「ノーリスク」ということはあり得ません。どこかでリスクを取る必要があります。それをバクチとは言いません。

大戸屋は創業家ともめはじめてからコロワイドに株式を買われるまで、何度も助かるタイミングがありました。それを見逃してきたのが大戸屋の経営陣です。そして大戸屋は株主提案後に敵対的TOBが実行されることを、おそらく安易に考えていたのだと思われます。そもそも株主提案をされた時点で、後に確実に敵対的TOBが実施されると考え、株主提案と敵対的TOBをセットに考えて対抗策を練る必要があったのです。

今回の件は明らかに大戸屋経営陣の判断ミスです。詳細は敵対的TOB終了後にコラムでまとめます。

このミスは、貴社でも起きる可能性があります。

 

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