2020年10月23日

ニトリのFAが大和さんなのは想定内

以下のコラムで指摘しましたが、FAが大和証券であることがわかりました。

No.931 ニトリのTOB条件を予想!

日経ビジネスの記事によると以下のとおりです。

ニトリ、HISを反面教師に 島忠争奪戦で後出しジャンケンの勝算

ちょっとだけ指摘します。詳しくはのちほど。1ページ目のこの部分を読んで「あ、やっぱりFAは大和さんなのね」と思いました。でもホントにこの作戦で大丈夫ですか?たしかにエイチ・アイ・エスは失敗しましたけど、HOYAによるニューフレアテクノロジーへの敵対的TOB提案はエイチ・アイ・エス以上に大失敗ですよ・・・。

頭の中にあったのは、昨年、東芝がニューフレアテクノロジーの完全子会社化を発表した後に、HOYAがニューフレアの同意を得ないままTOBをかける意思表示をした一件だ。HOYAはTOBの意思表示こそしたものの、結局、勝算がないとみて実際にTOBを始めることなく撤退した。事実上の敵対的TOBだったが、発動されることなく未遂に終わった。

ニトリは今回、HISではなくHOYAのような立ち回りをしたい、ということだろう。そのため、DCMによる島忠買収発表を先に行わせた方がいいということになる。またニトリはいきなり対抗TOBを仕掛けるのではなく、HOYAのようにTOBをかける意思表示だけして、まずは相手の様子をうかがう、ということも視野に入れているようだ。

エイチ・アイ・エスは確かに失敗しましたが、失敗した要因は何でしょうか?単純に価格でしょ?対象会社がユニゾHDという不動産会社であり、たくさんのホワイトナイト候補がいました。エイチ・アイ・エスはたしかに大きな会社ではありますが、不動産業界という観点で見れば、エイチ・アイ・エスより企業規模の大きい会社やファンドは山ほどいます。

ホントにニトリはHOYAのように立ち回りたいと考えているのでしょうか?だとしたら失敗しますよ。だってHOYAのTOB提案って、TOBをしておらず単に提案しただけなんですから。覚悟がないんですよ。覚悟がないから失敗したんですよ。そんなケースを参考にしてどうするんですか・・・。

敵対的TOBを成功させるために大事なことがあります。「絶対に買うという覚悟を決めて仕掛ける」ということです。中途半端なことをやっていたら失敗しますよ。相手の様子を見るとか、都合よくDCMにまずは仕掛けさせておいて勝算があるかどうか確認してからやろうとか・・・。敵対的TOBって、そんな都合よく、事前の計算通りにできるもんではないですから。「誰に何を言われようが絶対に島忠を買う!」という気合と根性がまずは必要なのです。

いくらニトリがDCMより企業規模が大きくても、DCMがまだ勝てる道は残っているのですから。DCMが覚悟さえ決めればニトリに勝つことができます。

この記事はけっこう突っ込みどころがたくさんあるので、のちほどまとめます。そんなに都合よく敵対的TOBは成功しません。参考にするならHOYAではなくコロワイドでしょうね。失敗したケースは反面教師にしたほうがよいです。
 

 

 

 

 

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