2020年12月03日

本当にオアシスが「歓迎します!」って言ってるのだとしたら

以下の日経の記事に今回の三井不動産による東京ドームへのTOBに関して、東京ドーム株を9.61%保有するオアシスが「歓迎する」と言っているそうです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66935450T01C20A2000000

ただし「TOBに応募するかどうかは、来週に三井不動産などと議論して決めるとした。」ともあるので、1,300円というTOB価格に納得していないのなら価格の引き上げを交渉するのかもしれません。

以下、三井不動産の公開買付届出書の該当部分を抜粋、要約したものです。

・読売新聞グループ本社は東京ドームから、2020年1月末に1月30日付でOasisよりレターを受領した旨の連絡を受け、重要顧客としてその対応について相談を受けていた。

 ⇒東京ドームが次期中計の検討をしていたところ、2020年1月31日に株主であるOasisより、Oasisが運営するウェブサイトを通じて「A Better Tokyo Dome」という経営改善提案が公表。さらにOasisより、DDの完了と買収資金の確保を含む様々な前提条件のもとで Oasisが1,300 円で全株買い取る意図がある旨の法的拘束力のない1月30日付のレターを受領

 ⇒東京ドームは2020年1月下旬にLAとして西村あさひ法律事務所を選任し、2月中旬にFAとしてGCAアドバイザーズを選任していた。

 ⇒2020年6月上旬から対象者自ら又はGCAを通じて、一定の事業シナジーが見込まれることが期待できる複数の事業戦略パートナー候補先企業に対して資本業務提携を行うことについての打診を行い、6月中旬から事業戦略パートナー候補先企業各社との間で資本業務提携への関心の有無の確認を目的とした面談及び協議を開始した。

東京ドームは2020年1月にオアシスから1,300円で全株を買い取る意図がある旨のレターを受領しており、アドバイザーを選任し対応を協議していたようです。そして2020年6月上旬からアドバイザーを通じて複数のパートナー候補企業に対して資本業務提携についての打診をしていたそうです。

以下のコラムで書きましたが、当初から私は「これって本当にホワイトナイトが必要な状況なの?」と疑問を感じていました。

2020年11月30日 No.964 三井不動産ってホワイトナイトなの?東京ドームは本当にホワイトナイトが必要だったの?

有料記事ですので一部だけ抜粋しますが「だってオアシスは単に法的拘束力のないTOB提案をしただけでしょ?必要資金を確保している状況かもわからないし、ホントにTOBをかけるつもりだったのでしょうか?」と申し上げました。

オアシスは三井不動産によるTOBに歓迎の意を表明しました。当然TOB価格に納得しないのなら、これから先いろいろな行動を起こす可能性もあります。でもやっぱりオアシスって東京ドームの全株を本気で買い取るつもりなどなかったのではないでしょうか?単に東京ドームに対して「敵対的TOBをやるかもよ!」と言うことで東京ドームを動かし、ホワイトナイトを登場させたかっただけなのではないでしょうか?

詳細についてはぜひ上記コラムをご覧いただきたいと存じます。また本件はいろいろと非常に勉強になります。油断すると皆さんこうなる、ということです。来週くらいにはまとめます。

世の中おそろしい・・・。

 

 

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