2020年12月09日

東京ドームはけっきょく前田道路と同じかな?

以下有料コラムですが、一部無料で公開します。

No.762 オアシスの投資先とこれからの行動

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そして上表には名前がありませんが、どうやら前田道路にも投資していたようですね。日経ビジネス投資ファンドが「親子げんか」誘発 前田道路、前田建設のTOB拒否にこうあります。

「親子げんか」を誘発したのはアクティビストファンドだ。両社の関係に亀裂が走ったのは昨春、香港のオアシス・マネジメントによる株主提案が来てからのこと。6月の株主総会を控え、前田道路に自社株買いの実施、委員会等設置会社への移行、社外取締役の派遣などの要求を突きつけてきた。

この段階では、前田道路はオアシス側の提案を拒否する考えだった。だが、「親」である前田建設に相談に行ったところ、すれ違いが起きる。

全面支援を期待した前田道路に対して、前田建設は「株主提案に賛成することもやぶさかではない」という反応だったという。しかも、前田建設が派遣する取締役の増員を持ち出した。味方どころか、逆に支配を強めようとしている──。そんな疑念を深めた。

オアシスは前田道路株も保有している(いた?)ようです。また記事には秋になると、ファンドが再びうごめき始める。一度は株を売却したオアシスが再び株を買い始めたのだ。そして、前田建設にある打診をする。オアシス側が前田道路にTOBを仕掛けた場合、保有株を売る気があるか──。前田建設は提案を無視したが、このままだと前田道路がアクティビストの食い物にされるのではないかと懸念を深めることになった。」とあります。オアシスは前田道路に対するTOBも、どこまで本気なのか、単に前田建設工業によるTOBをうながすためなのかはわかりませんが、検討していたようです。

オアシスはけっこうやっかいな投資家になりつつありますね。日本企業の性格、性質を把握しつつあるような感じがします。どうやって交渉すればよいかを学んできたのかもしれません。かつての第一次村上ファンド騒動のときと同じですね。アクティビスト・ファンドが日本企業に対して水面下で「なんならTOBをしてもいいんですよ」といった交渉をしたり、実際にTOBを開始してホワイトナイトを引き寄せたりした時代と同じことがまた起きつつあります。

そういう意味ではオアシスは特段進歩している訳ではなく、昔のアクティビスト・ファンドと同じ手法で儲けようとしているだけとも捉えられます。または「80年代の米国で儲かった手法を今の日本でやれば儲かる」と考えているのかもしれません。あの時代の米国でそんな濫用的買収に備えるために開発されたのがポイズン・ピルではないでしょうか?

 

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