2021年01月29日

旧村上ファンドに買われていたフージャースHDが大規模自己株TOBを公表

旧村上ファンドに37.15%の株式を保有されているフージャースホールディングスが昨日、大規模な自己株TOBを十すると公表しました。詳しくは以下をご覧ください。

https://pdf.irpocket.com/C3284/HTFv/lQzd/niZK.pdf

自己株TOBの条件は以下のとおりです。

TOB価格:684円(2021年1月28日終値685円)

取得総額:148億円(フージャースHDの時価総額約394億円)

買付予定株数:21,637,600株(発行済株式総数57,554,275株の約38%)

第三者算定機関:プルータス

FA:スリーエスキャピタル株式会社

LA:瓜生・糸賀法律事務所、西村あさひ法律事務所

公開買付代理人:SBI証券

TOB期間:2021年1 月29日(金)~3月1日(月)まで(20営業日)

以下、プレスリリースから一部抜粋します。

他方で、当社は、2020年10月28日、当社の筆頭株主であり、本日現在において当社普通株式 19,153,500 株(所有割合33.36%)を所有する株式会社シティインデックスイレブンスとの間で、当社の資本戦略のあるべき姿について議論する中で、当社が自己株式取得を行う場合に、シティインデックスイレブンスが、同社、及びその共同保有者として 当社普通株式2,416,700株(所有割合4.21%)を所有する当社の第4位の大株主である株式会社エスグラントコーポレーションが所有する当社普通株式(合計21,570,200株(所有割合37.57%))について、売却に応じる意向を有しているとの感触を得るに至りました。

(中略)

そのような中で、当社は、2020年10月28日以降、自己株式取得の方法に関する検討を開始し、仮に シティインデックスイレブンスらが当社普通株式を市場で売却することを試みた場合に当社普通株式の流動性及び市場株価に与え得る影響を踏まえて検討した結果、同年12月上旬、シティインデックスイレブンスらの所有する当社普通株式を取得する自己株式取得を行うことが最善であると判断いたしました。また、自己株式の取得の具体的な方法については、①当社普通株式の流動性に鑑みれば、約148億円相当の自己株式取得を市場買付けの方法で行うことは現実的ではないこと、②株主の皆様が市場株価の動向を見ながら応募について検討する機会を確保することができる公開買付けの方法が、株主間の平等性、取引の透明性の観点から適切であると考えられることから、同年12月上旬、公開買付けの実施が最適であると判断いたしました。

「①当社普通株式の流動性に鑑みれば、約148億円相当の自己株式取得を市場買付けの方法で行うことは現実的ではないこと」

いやいや、貴社の時価総額が390億円程度であることを考えたら、約148億円の自己株取得を行うことが現実的ではないと思いますよ。発行済株式総数の40%近い自己株取得なんて、この会社の財務体質を考えたら、いや内部留保が相当厚い会社であっても現実的ではないと思います。

プレスリリースによると旧村上ファンドはフージャースHDの株式を21,570,200株所有しているそうです。直近で提出された変更報告書(2020年12月16日)によると、保有株数は21,384,100株で取得資金の総額は約129億円です。ということは平均取得価格は605円です。

今回のTOBに応募することで(按分になる可能性があり全部を買ってもらえないかもしれませんが)、21,570,200株×684円=約148億円の売却収入、(684円ー605円)×21,570,200株=約17億円の売却益を得ます。

これが既存、新規の投資先に振り向けられるということになります。日本アジアグループのMBOでも大儲けでしょうから、要注意です。

 

 

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