2021年02月24日

サンケン電気がエフィッシモの敵対的TOBに「中立」を表明

エフィッシモに敵対的TOBを仕掛けられたサンケン電気が意見表明報告書を提出しました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120210224468480.pdf

エフィッシモのTOB条件などは以下のとおりです。

https://ib-consulting.jp/newspaper/3267/

意見の内容は「中立」です。エフィッシモとの間で水面下で質問・回答のやり取りはしていたようですが、金商法で定められた質問権は行使しないようです。

意見を「中立」とした主な理由ですが、

・事実上の拒否権を持つ水準まで当社株式の取得を目指しているのは客観的な事実であり、エフィッシモの意に沿った経営体制及び経営方針の変更を実施することを意図していないとまで断定することはできない。

・TOB価格5,205 円は市場価格に一定のプレミアムを上乗せした価格だが、TOB公表後の市場株価はTOB価格を上回って推移。当社の連結子会社であるアレグロ社の企業価値及び当社の持分割合のみを考慮しても、TOB価格が当社株式の価値を過少評価した金額であることを株式市場も認識している証左。

・当社はTOBに反対の意見を表明することも検討したが、TOB後も大株主にとどまるエフィッシモとの関係が非友好的になることで、本業以外の理由で社会の注目を集め、従業員のモチベーションが低下したり取引先との契約交渉等において不利に働いたりするおそれなど、反対することが当社のステークホルダーに与える影響も十分に考慮すべきであると考えた。

・他方で、エフィッシモに対して純投資目的に沿った活動を行うことに関する確約を要請し、エフィッシモが一定程度協議に応じる姿勢を示していることを踏まえ、エフィッシモによる経営への影響の急迫性の程度も勘案し総合的に検討した結果、TOBに反対の意見を表明することにより当社のステークホルダーの不安をあおるのは、円滑な事業運営、企業価値の向上等の観点から避けるべきであり、TOBに対して中立の立場をとるべきであると判断した。

です。詳細は意見表明報告書をご覧ください。

たしかにサンケン電気の株価はTOB価格を上回って推移しています。TOBを公表したのが2月8日ですが、株価は以下のとおりです。

気になるのは、確かにサンケン電気の株価はTOB価格を上回っているのですが、これがいつまで続くか、です。2月10日に5,910円を付けていますが、最近はちょっと下がってきていますね。TOB価格5,205円との差は縮まってきているように見えます。

そしてもう1つが、エフィッシモが価格を引き上げてくるリスクはないのか?という点です。これら2つはおそらくサンケン電気もわかっているのでしょうし、そのためにエフィッシモと現在も交渉をしているのかもしれません。

あと、忘れてはいけないのがオアシスの存在ですね。オアシスはサンケン電気株を6.47%保有しています。中立ん意見表明を受けて、オアシスがどう行動するのかも注目です。

 

 

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