2022年03月25日

日本企業は東芝状態にならないようどうしておくべきか?

企業防衛体制の構築を検討すべきです。会社は株主のものではありません。そもそも会社はものではありませんから、誰が所有者なのかを議論する意味がありません。株主は株式を所有しており、それに付随する権利を持っていますが、会社を構成するステークホルダーの所有者ではありません。会社が株主のものなのだとしたら、従業員の皆さんも株主のものなので、転職する場合は株主の許可が必要になります。皆さん、株主の許可を得て転職してますか?していませんね。

これから敵対的買収時代が始まります。というか始まっています。この敵対的買収時代を生き残り、独立した上場会社として企業価値を高めていくためには何をすべきか?企業価値向上と企業防衛・買収防衛策と言うのは相反するように見えますが、そんなことはありません。買収防衛策を導入し、他の企業防衛施策も実行して、役員や従業員が本業にまい進できる体制を整えて企業価値・株主価値を拡大させている企業はあります。

買収防衛策、企業防衛というのは上場会社の危機管理対策の1つであり、会社によってやる・やらないというたぐいのものではありません。買収防衛策を導入しないけど、他の防衛施策はやっているという会社もあるでしょう。私の想像ですが、トヨタ自動車、トヨタグループがその典型ではないでしょうか?豊田自動織機や東和不動産を核としたグループの持ち合い体制を構築していますよね?(もちろん意味のない持ち合いなどと言っているわけではありませんよ) トヨタ自動車は個人向けの種類株式を発行したこともありましたよね?ファンづくりの一環では?

ちゃんと考えている会社は企業防衛体制を確立しようとしているんですよ。トヨタ自動車は買収防衛策を導入していないものの、安定株主対策はちゃんとしているように見えます。

日本で最大の時価総額の会社が防衛体制についてちゃんと考えているのに、他の会社が考えなくていいなんてことはないのですよ。東芝の従業員には申し訳ないのですが、経営陣がちゃんと企業価値をどう守るかを考えておらず、アクティビストの言いなりになってしまったから今に至っているのです。経営者は株主だけではなくすべてのステークホルダーを幸せにする責任があります。株主だけがハッピーっていうのはおかしいのです。※なお、私は株主利益を軽視してよいと言っているわけではありませんので。適正な利益配分をすべきだと思うし、これまで日本の経営者が株主利益をあまり考えなかったことは事実だと思っています。

 

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