2019年01月21日

新明和工業のプレミアム自己株TOBっていいんですか?

村上ファンドに22.88%の株式を取得されていた新明和工業が本日、総額400億円の自己株TOBを実施することを公表しました。

http://www.shinmaywa.co.jp/news/index.html

自己株TOBの買付価格は1,500円です。買付価格はレノと協議した結果だそうです・・・。買付株数は26,666,700株で、発行済株式総数の27.66%です。

村上ファンドが保有する新明和工業の株数は22,882,900株です。他の株主からも応募があると思われるため、村上ファンドは全株売り付けることはできないと思います。

ちなみに買付価格1,500円は、本日の前営業日の終値1,357円に10.54%、1か月間の終値平均1,349円に11.19%、3か月間の終値平均1,418円に5.78%のプレミアムを付した価格です。

自己株TOBでプレミアムを付けた例はあまりありません。通常、自己株TOBを実施する際は終値平均からディスカウントした価格でやるケースが多いと思います。ご存知の通り、トストネットでやるときは前日終値で取引されます。

自己株取得は株主還元ですから、市場価格か市場価格よりディスカウントした価格でないと説明ができなくないでしょうか?いや、そりゃあ、しようと思えばできますよ。例えば、「たくさん買うのだけど市場で買ってたら株価があがってしまう。だから多少のプレミアムを付けてまとめて売ってくれる先があるなら、市場でコツコツ買うより合理的だ」とか・・・。まだ詳しくプレスを読んでいないのですが、第三者機関としてプルータスを雇って価格算定をしたようです。公開買付代理人はSMBC日興証券です。

このケースはやや疑問です。本当にプレミアムを付けた自社株買いって、既存株主に説明がつくのでしょうか?本来、自社株買いは株価が安いときにするもんでしょ?プレミアムを付けるって・・・。しかも特定の株主からの応募を期待しているんですよね?

皆さんのご意見をお待ちしております。

なお、村上ファンドが全株ではないにしても保有銘柄の一部をキャッシュ化します。ということは???

はい、既存投資先に振り向けるか、新たな投資先に振り向けるか、です。ご注意ください。

 

 

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