2019年01月31日

伊藤忠がデサントにTOB?(日経ビジネススクープ)

伊藤忠がデサントにTOBを仕掛けるらしいです。日経ビジネスのスクープ記事が出ています。

すでに伊藤忠はデサント株の3割を保有していますが、記事によると「保有株をTOBで最大で4割まで高める」そうです。また、TOB価格は「足元のデサント株価に50%程度のプレミアム」をつけるそうです。

さて、実際に伊藤忠が敵対的であってもデサントにTOBを仕掛けた場合、成功するでしょうか?確実に成功するでしょうね。保有割合を3割から4割にする程度ですから、簡単でしょう。しかしなぜ4割なのでしょうか?記事によると「過半数を取得して子会社化することは避ける方針」とあります。おそらく世の中から「強圧的に敵対的TOBを仕掛けてムリヤリに子会社化して言うことを聞かせるのか?」という批判があった場合に「いやいや。子会社にはしませんよ。4割しか買いませんから経営権を確保する訳であ張りませんよ」と言い訳するつもりですね。

佐々木ベジさんがソレキアに敵対的TOBを仕掛けた時も同じことを言ってましたね。ま、4割も保有したら実質的に経営権を握ったも同然です。

さて、伊藤忠は確実にTOBを成功させそうな状況ですが、デサントに守る術は残されているのでしょうか?ほんのかすかな望みではありますが、なくはありません。「買収防衛策を導入するの?」 はい、買収防衛策を導入するのです。ただ、簡単ではありませんよ。買収防衛策を導入するには東証への事前相談が必要で導入するまでに3週間ほど審査がかかります(審査と言っても導入してよいかどうかの審査ではなく開示内容の審査です)。

「じゃあ今すぐTOBを仕掛けられたら導入できないじゃん?」そうです。今日、いますぐに伊藤忠に仕掛けられたらムリです。でもデサントが今すぐに腹を括って対応を決めたら、ちょっとだけ希望はあります。でも打ち砕かれるリスクは高いです。

やっぱり普段からちゃんと企業防衛について検討しておかないとダメだということです。

 

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