2023年05月10日

トヨタ自動車に株主提案!

プレス見たときびっくりしましたね。日本で最大の時価総額のトヨタがとうとう株主提案をされました。内容は以下のとおり、「第4号議案 定款の一部変更の件(気候変動関連の渉外活動が及ぼす当社への影響とパ リ協定の目標との整合性に関する評価及び年次報告書の作成)」なので通ることはまずありません。

https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/stock/2023_shareholder_proposal_jp.pdf

定款変更が必要ですから特別決議を取れるかと言えば、まあムリです。この手の提案が高い賛成率を取ることはまずないですし、以下トヨタの株主構成です。2022/3期末です。

トヨタは自己株が多いので議決権ベース(総議決権137,436,878個)で算出すると、金融機関37.25%、金融商品取引業者2.05%、その他の法人25.28%、外国法人22.86%、個人12.77%です。外部から見た安定株主比率はその他の法人25.28%+日本生命4.61%+三井住友海上2.06%+東京海上日動1.85%=33.8%です。上位株主に登場しない取引銀行・生損保もいるでしょうから、実際にはもう少し高いと思います。35%くらいかな?

日本で最大の時価総額であるトヨタ、安定株主比率も非常に高いです。これだけの安定株主がいれば敵対的TOBを仕掛けても成功する可能性は高くないですね。

トヨタの安定株主のキモは豊田自動織機ですね。それと東和不動産ですかね。以下、大昔に書いたコラムです。トヨタグループの企業防衛の要が織機と東和不動産だと思います。

https://ib-consulting.jp/column/215/

そんなトヨタが株主提案をされました。もちろんこの提案は可決されませんが、トヨタが株主提案をされる時代になったということが大切なのです。もう日本の上場会社で株主提案や敵対的TOBから逃れられる会社などないと思って普段から企業価値・株主価値の向上に向けた対策、企業防衛に関する対策をちゃんとやっておかないとダメということです。

 

 

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