2019年02月07日

デサントの反対意見について

デサントが伊藤忠による敵対的TOBに対して反対の意見を表明しました。

一般的な流れは、TOB公表→当座のコメント→留保の意見表明、質問権行使→対質問回答報告書→賛成・反対の意見表明、です。今回デサントは質問権を行使せず、反対の意見を表明しました。これまで伊藤忠とデサントとの間でやり取りがあり、質問して内容を確認する必要はないと判断したのかもしれません。

デサントの反対意見の骨子は以下の部分であると思います。反対意見表明からの抜粋です。

その結果、当社は、2019 年2月7日開催の取締役会において、下記(3)「意見の理由」記載のとおり、本公開買付けは、形式的には一定のプレミアムを付した買付価格を提示しているものの、買付予定数に上限を付して最小限の資金で実質的に当社の支配権を取得し、他の株主の皆様に伊藤忠商事による当社の経営支配に伴うリスクを負わせるものであるなど、当社の企業価値及び株主共同の利益に資さないばかりか、それらを害するおそれが大きいため、本公開買付けに対して反対

伊藤忠は今回のTOBで保有割合を3割から4割に引き上げるだけです。伊藤忠は経営権をとらないし子会社にもしないと言っていますが、それはまあ屁理屈でしょう。4割も株式を握るということは、議決権行使率を考えれば経営権を実質的に握るのと同じことです。

さて伊藤忠は今回のデサントの反対意見を受けてどう行動するでしょうか?デサントの反対意見の内容はごもっともなのですが、伊藤忠がある行動を起こせばこの反対意見は株主に対して何の訴求効果も持たなくなります。

また、デサントが助かる道はあるのでしょうか?ありますし、当然、デサントもそれを考えているのではないでしょうか?詳しくは明日のコラムで。

 

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