2019年03月14日

伊藤忠、デサント株40%保有確定 TOB応募は目標の倍近く

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42461930U9A310C1000000/?nf=1

タイトルの記事が日経に掲載されています。以下、記事の一部を抜粋します。

相手の合意がない大手企業同士の敵対的TOBでは初の成功例となる。伊藤忠は詳細な結果を15日午後に公表する予定。今回はこれまでの敵対的TOBと異なり、取得下限を設定していない。仮に1株の応募でも成立するため、焦点は「応募がどの程度集まるのか」にあった。

応募が高水準になったのは、買い付け価格のプレミアム(TOB公表前日の終値からの上乗せ額)が5割と一般的なTOBの2~3割より高かったことなどが好感されたためだ。伊藤忠が示した中国を中心とする海外戦略など成長策を評価する声も多かったという。

相手の合意がない大手企業同士の敵対的TOBでは初の成功例、と指摘しています。大手企業という意味ではそうですね。でも佐々木ベジさんがソレキアへの敵対的TOBを2017年に成功させています。難易度からすると、佐々木ベジさんの敵対的TOBのほうが全然難しかったです。なにせ発射台が違いすぎます。伊藤忠はすでにデサントの株を3割も持っており、それをたった4割まで引き上げるというTOBです。これ、誰がやっても成功します。一方、佐々木ベジさんはソレキアの株を事前に数%しか持っていませんでした。それを4割以上まで引き上げました。

マスコミはやたらと「大手企業で初の敵対的TOB」と書きますけど、大手企業のほうが敵対的TOBを成功させるのは簡単です。だいたいの大手企業の安定株主比率は低いですから。敵対的TOBを成功させるポイントは企業規模ではなく単に安定株主比率とその他の株主構成ですから。

また、応募が高水準になった理由としてプレミアム以外に伊藤忠が示した海外戦略を評価する声も多かったという点を挙げています。本当ですか~???単にプレミアムが高いからでしょ?それと、そもそも「関係者によれば、応募数は伊藤忠の買い付け目標(721万株)の倍近くに達したとみられる。」と記事にはありますが、所詮、発行済株式総数の10%しか買わないTOBでしょ?そりゃ応募数は倍くらいになりますわな。

この記事を読んだ私の感想は「敵対的TOB終了後、今後のデサントの役員体制刷新に向けてマスコミを使った情報戦が始まっている」ということです。

 

 

 

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