旧村上ファンドが焼津水産化学工業の大量保有報告書を提出
旧村上ファンドが焼津水産化学工業の大量保有報告書を提出しました。保有割合は5.96%です。焼津水産化学工業は以下の通り、非公開化を予定しており、現在TOBの真っただ中です。旧村上ファンドが非公開化予定の銘柄に横やりを入れるのは久しぶりですね。東栄リーファーライン、廣済堂、日本アジアグループ・・・(サカイオーベックスも?)
https://maonline.jp/news/20230804c
TOB価格:1,137円(TOB公表前日の終値823円に38.15%のプレミアム)※BPSは1,663円
買付予定数:1,144万2,783株(全株)
買付予定数の下限:所有割合66.67%にあたる762万8,600株
TOB期間:8月7日~9月19日
公開買付代理人:SMBC日興証券
焼津水産って、今年ナナホシマネジメントに株主提案されていましたよね?
https://www.yskf.jp/images/1588.pdf
非公開化に至る経緯は以下の通りです。
https://www.yskf.jp/images/1623.pdf
J-STARは、2023年4月14日に当社より非公開化を通じた成長戦略に関する打診を受けたとのことです。J-STARは、当該打診を受ける以前、2019年8月上旬より当社と事業戦略や業界再編の可能性について、1年に1、2回の頻度で合計5回の意見交換を重ねており、また、意見交換を行う中で、本ファンドの投資先である株式会社ダイニチ(飼料・資材事業、水産事業、水産養殖事業)等との業務提携やシナジーの可能性も期待できるとの認識に至ったことから、2023年4月下旬、当社の非公開化について本格的に検討を開始したとのことです。
なんで非公開化なんて選択したのでしょうか?こういう形で旧村上ファンドが登場するリスクは最初からわかっていたわけです。この会社、非公開化なんて選択しなくても十分やっていけるでしょ?安定株主比率、40%以上あるでしょ?役員の賛成率だって最低でも79%もあるし、株主提案だって買収防衛策の廃止議案で30数%の賛成率ですが他は20%台ですね。
わざわざリスクのある非公開化なんて選択する必要はなく、多少面倒くさいけど、うるさ型の株主の言うことを聞きながら上場会社として経営していったほうがよかったのではないですか?
以前から私が申し上げている通り、いろんな金融機関などが「このご時世、上場していることがリスクです!資金調達もしないのなら、上場しているメリットは享受せずリスクのみおっていることになります!」的なセールストークで非公開化を持ち掛けてきます。公正買収研などの指針も持ち出して、あの手この手で非公開化をすすめてくるでしょう。お金儲けのために。しかし非公開化にはこのようなリスクがあるんです。
焼津水産さんはアドバイザーと「旧村上ファンドが登場したらどうするか?」をちゃんと検討していましたかね?TOB価格、どうします?マネジメント・バイアウトじゃないから引き上げを要請しますか?
私は上場会社のみなさんにこういった形での非公開化はすすめたくないですね。株式会社は上場してこそ価値がある。
ちなみに以下7月からの株価推移とTOB価格、旧村上ファンドの保有割合です。旧村上ファンドが買い始めたのは8月8日からです。
私は村上さんのいろいろなご意見や行動に対して否定的なスタンスですが、唯一、このような非公開化案件・MBO案件に横やりを入れる行動に関しては評価しています。会社の価値を知る経営陣が非公開化を選択するのであれば、その値段は株主にとって最善の値段を提示すべきだし搾取してはいけない。ましてや一度賛同したTOB価格を引き上げるようなことはダメなのでは?と思っています。
こういうことが起きるくらいならあのまま上場しておいたほうがよかった、と思っているのではないでしょうか?ここから先、寝れませんよ。